text by 赤様
起立! きょうつけ! 礼! おはようございます!
はい、おはようー!
着席!
え~今日の授業は、この本を使います。
「試験に出る関西弁会話集中講座」。
みなさん、試験に出るのでしっかり勉強するようにね。
それでは、105ページを開きなさい。
まずは、挨拶からです。
「どうでっか?」
「ぼちぼちでんなあ~」
ですね。
これは、英語で言う、
「How are you?」
「Fine, thank you.」
と同じ関係ですね。
「どうでっか?」は、「どないでっか?」とも言いますし、
また商人(あきんど)の場合は「儲かりまっか?」とも言い換えられますね。
これに対して返事は、「ぼちぼちでんなあ」と答えるのがお約束です。
常套句ですね。
このとき、状況が良いくても、悪くても、「ぼちぼち」と答えることが重要ですね。
よろしいですか?
さあ、次にいきましょう。次は20ページです。
もうおなじみと思いますが、
語尾につく「~さかい」という言い方ですね。
標準語の「から」「ので」にあたる接続助詞ですね。
古くはお国なまりを言うのに、
「大阪サカイに京ドスカ、長崎バッテン江戸ベラボー、兵庫神戸のナンゾヤサカイ」
と言ってたんですね。
では「さかい」の例文をあげてみましょう。
「逃げも隠れもせえへんさかい、いつでも来たらんかい!」
標準語で、
「逃げも隠れもしないから、いつでも来い!」という意味ですね。
これを河内(岸和田など大阪府南部の地域)の方では、
「逃げも隠れもせえへんさけ、いつでも来たらんかい!」
と、「さかい」が「さけ」となります。
クーッ、シビレますねー。
では、次は「たる」という言い方です。
25ページを開きましょう。
寛平ちゃんのギャグで「血ぃ吸うたろか」の「たる」ですね。
標準語で「~してやる」という助動詞です。
その例文は、
「もうええがな、許したれよ」
標準語で、
「もういいではないか、許してやれよ」という意味ですね。
他にも、
「誠意見せたれや、おお、兄ちゃん」
なんて使い方もしますね。
こわいですねー。
はい、今日でてきた言い方は重要なので、しっかり復習してきてくださいねー。
それでは、今日の授業はこれで終わりまーす。
・・・・・・・・・と、まあ、僕の本棚には、こんな本があります。
『試験に出る関西弁会話集中講座』大坂世一・著
おわかりのように、この本はパロディですが、
紹介されている言葉はホンマもんの関西弁です。
ここでは、短くまとめるために、ちょっと脚色しましたが、
例文や紹介の仕方は、ほとんどそのままです。
わざと、そのスジで使う言葉を例文にしていますが、
ここではちょっと紹介できない、えげつない例文ばかりなのも、
この本が面白い要因のひとつです。
僕は方言(特に関西弁)が好きなこともあり、
これを本屋で見つけたときは、数十秒後にはレジに並んでました。
十数年前に、方言の本が多く出版された時期があって、
これはその先駆けのようなものでした。
1993年に出た本ですが、
今は絶版になってしまってます。
この本には、
~必須単語からボケ・ツッコミまで~
なんてサブタイトルがついていますが、
ボケとツッコミ、日常での他愛無い語らい、
とっても重要ですよね(笑)。
さあ、次の試験に出ますので、
みなさんもしっかりお勉強しておきましょう!