僕が以前勤務していた野球場は、
民間の気象予報会社から、気象情報を買っていた。
その額、なんと年間400万円!
その額が適正かどうかはわからないが、
風の向きや強さ、時間ごとの降水量などを、
数キロ四方ごとに示すデータが数十分おきに入ってきて、
そんな詳細なデータを見てビックリしたことを覚えている。
もう10年以上も前のことだ。
ある日、
渋谷にいる球場関係者から電話が入った。
「渋谷は突然の雷雨」だと。
野球場のある神宮外苑は青い空が見えているのにだ。
すると、その気象会社から、
こちらでも15分から20分後に降るとの情報がきた。
早速、雨のための準備にとりかかり、待機していたら、
ほぼ予定どおりにザーザー降りだした。
準備していたおかげでスムーズに対処ができ、すごい効果だと感心した。
今は、気象予報会社も一定の認知度を得ているが、
そのなかでも、ウェザーニュースが「ゲリラ雷雨メール」という
おもしろい試みをしている。
ゲリラ雷雨メールとは、
希望者が登録した地点の周辺で、ゲリラ雷雨が発生する可能性があるときに、
メールで知らせてくれるサービスだ。
一昨年は5万人、去年は12万人が利用した。
雷雨や集中豪雨というのは、その予測が非常に難しい。
気象庁のレーダーでは、積乱雲の高さが2000m以上にならないと、
とらえられないのだそうだ。
しかし2000m以上になってから降り出すまでに数十分しかかからない場合があったり、
雨が降り出してから、それらの発生がわかったりすることも多い。
だから、予測できなかったり、
事前に予測できた場合でも、予報が間に合わなかったりするのだ。
ウェザーニュースは、
そんな気象庁の大きなくくりの観測データでは難しかったものを、
一般市民からの情報を得ることで、可能にしようと試みている。
従来の天気予報に真っ向から戦いを挑んだ、市民参加型の天気予報だ。
この雷雨の情報を寄せてくれる人たちを「ゲリラ雷雨防衛隊」という。
ウェザーニュースの通常の観測データのほかに、
ゲリラ雷雨防衛隊から寄せられた雲の色や方角、距離感、雷の有無などの情報と、
風や雲に関するコメント、携帯で撮った写真をもとに解析することで、
ゲリラ雷雨発生の危険性をいち早く予測。
発生が予想されるときは、メールで知らせるという仕組みだ。
ミクロな観点からの情報収集が可能になったことで、
雷雨の兆しが小さい段階からでも発見できる。
あなたの情報が天気予報を変えるかもしれない。
もう、そういう時代になったのだ。
的中率は、ウェザーニュースの発表だと約8割となっているが、
僕の感覚だとだいたい5割くらいだろうか。
予報だから、当たらないときも当然あるが、それはどの天気予報も同じ。
それに、雷雨というのは局地的に、
しかも短時間に降るという特性であること考えると、
こんなものじゃないのかな、と僕は思う。
興味ある方は、ぜひ試してみてはいかがだろうか。
信号待ちのときにメールを受取り「えっ、ホントに降るの?」と疑問を抱くと、
その隣で情報を送っている人がいる場合だってある。
あなたもメールを受け取るだけでなく、情報提供する側にまわると、
その奥深さがわかるかもしれない。
※ちなみに、このサービスを利用するには、
ウェザーニュースの携帯サイト利用料、月額315円が必要です。