美瑛の丘

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text and photo by 赤様 

ラベンダー.jpg

自分にとって最高に気に入っている場所、思い入れのある場所を
よく「聖地」なんて言ったりします。
宗教の話しではありません。


そこには、最高の芸術品があったり、憧れる文化があったり、
はたまた尊敬する人物がいたり・・・。
そこに行くことで、
自分の心のなかに、何かをもたらしてくれる場所を、
そう呼んだりします。
最近、よく雑誌でもそんな特集が組まれたりしています。

 

僕のなかで「聖地」と呼べる場所は、いくつかあります。
大好きなサッカーチームのあるバルセロナ。
子供のころから高校野球を何十回と観戦に行っている甲子園。
古き良き日本の文化が凝縮されている京都。
そして、これから紹介する美瑛です。

 

美瑛は、北海道の真ん中、
大雪山系の西側に広がる田園地帯です。
富良野から美瑛にかけて連なる丘は、見渡す限り木々や畑ばかりですが、
日本とは思えないような素晴らしい田園風景を作り出しています。

 

僕が最後に行ったのはもう7年も前になりますが、
何度もCMのロケ地になったりしていて、
意識はしていなくても、メディアを通してその風景を見ている人は多いハズです。

 

僕もその丘の魅力に引き込まれて、3度ほど訪れています。
きっかけは「北の国から」というドラマと、
前田真三という写真家の影響です。

 

畑のひとつひとつは、何の変哲もないものです。
農家が自分の生活を成り立たせるためのものです。

 

多くの畑は、大きな面積をいくつかに区切り、違う作物が植えられています。
作物は、同じ畑に毎年同じものを植えると、病気になりやすいのだそうです。
そのため次の年には、違う作物を植えます。
ときには、土の養分にするために、収穫目的ではない美しい花を植えたりします。
それぞれ違う畑に花が咲き、作物が実った様子が、
ときにパッチワークのようとだと表現され、
この土地の代名詞のひとつとなっています。
(花はその後、トラクターで土のなかへ巻き込まれ養分となる)

 

また、畑の中に佇む木々も見逃せません。
他人の畑との境界に、農家が目印のために植えた木も、
この土地の重要なポイントです。
見る角度により、それは風景の中で絶妙のアクセントとなり、
愛くるしい雰囲気を醸し出します。

 

この7月は、そんな風景を見る最高の季節。
短い夏を謳歌しようと、一斉に花々が咲きほこります。

 

ラベンダーをはじめ、
ひまわり、ポピー、じゃがいもの花、
小麦、とうもろこし、アスパラガス、
ポプラ、白樺、はるにれ、
牧草を丸めた麦稈(ばっかん)ロール・・・。
梅雨のない北海道ならではの、暑いけど爽やかな気候や、
ぬけるような青い空が、花や緑の美しさを一層引き立たせ、心が洗われます。
運がよければ、キタキツネに出会えるかもしれません。

 

とびきり絶景が望める場所には、
アマチュア写真家が畑の端に三脚を並べています。

 

丘のなかにある美馬牛小学校には、
公立の小学校とは思えない、教会風のとんがった塔があり、
周囲の素晴らしい風景との組み合わせが相乗効果を生んでいます。
公立の小学校なのに、ネットの画像検索で、
これほど多くの検索結果が出ることからも、その素晴らしさがうかがえます。

 

僕も、この丘を車で走っていて、素晴らしい景色が目に入るたびに、
「おぉーーーー」とか「わぁーーーー」とか言いながら、
ワキ見運転ばかり、というより、ワキしか見てないような危うい運転になります。
良いポイントを見つければ、路肩に車を止め、三脚を立てて写真を撮り、
また次のところへ移動、という撮影旅行がいつものパターンです。
このところ、しばらくご無沙汰ですが、
久しぶりに気持ちいい風景に出会いに行くのもいいかもしれません。
皆さんにも、ぜひオススメの場所です。

コメント(1)

赤様。

おはようございます。博識ですねぇ~。確かに作物は、同じものを作り続けるのは良くないといいますね。

連作も、出来るものと出来ない物がありますからね。


連作できる代表といえば、まずはお米でしょうね。

そういえば、昨日あるラジオ放送で、わたみの社長が野菜作りの会社を10年近く経営していて、無農薬の有機栽培にこだわっていて、それをわたみサラダとしてわたみのお店で出しているそうです。

しかしながら、有機栽培ですと、農薬を使う野菜に比べ、5倍も経費が掛かるそうですよ。


北海道いいですね~。
これからがベストシーズン。お休みと、お財布と相談して、行って景色を眺め、リラックスしたいもんです^^

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このブログ記事について

このページは、cmemberが2010年7月 2日 09:00に書いたブログ記事です。

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