2007年4月アーカイブ

落書き

text and photo by 赤様

京都、祇園からほど近いところに、知恩院というお寺がある。
数ある京都の名所のなかで、僕のお気に入りのひとつだ。
入り口には大きな「三門」と言う門がある。国宝に指定されている門だ。
その門の2階にはバレーボールコートくらいの部屋があり、
木製の仏像や壁画など、貴重な文化財がいくつも保存されている。

知恩院三門.JPG

去年のゴールデンウイークに京都に立ち寄ったときのこと。
普段は閉ざされているその場所を特別に公開していたので、偶然にも観ることができた。

門の端には、はしごが立てかけてあるかのような急な階段がある。
老人でなくても、ゆっくり登らないと危険なため、
何人か登らせると、次の人たちはしばらく待たされるほどに急な階段だ。
今まで多くの人が頼りにした手すりは、人の手汗でつるつるで、
その傍らにロープがついているほど。
その階段を登ると、見晴らしの良い2階に出て広範囲を一望できた。

部屋の中に入ると堂々と鎮座する十数体の像。
柱や壁、天井には、極彩色の龍や天人、楽器などが描かれている。
その厳かさに圧倒され、無意識に口が開き、思わず正座した。
それらに見とれているとガイドが説明を始め、一同耳を傾けた。
歴史背景や学問的な観点まではあまり関心がなかったが、
そんな話しよりも、目の前にある像たちの威容さが、その凄さを物語っていた。

説明が終わり、再び見入っていると、
その貴重な絵の上に、何か汚れのようなものを見つけた。
目を凝らすとそれは文字だった。
龍や仏などの仏教絵画の上に、あっちこっちにたくさん書かれている。
しかもご丁寧に墨でだ。

『こんな文化財のうえに、何だいったい』と、かすれた文字を読もうとすると、
「○○縣○○郡○○村~」とかという文字が読み取れた。住所のようだ。
『落書きか?』『縣って何だ?』
「山形縣~」「新潟縣~」「山梨縣~」
県という文字が、みな「縣」と書かれている。旧漢字が時代を感じさせる。
しかも遠隔地ばかりが目立つ。
いろいろ見ていると、どれも一様に日付と住所、名前が書いてあるのがわかった。

さらに、その日付が驚きだった。
「明治十五年」や「十六年」と書かれ、みなその時期に集中している。
そのころといえば、東京に日本で始めて鉄道が開通したばかりで、
それ以外の乗り物といったら馬くらいだろう。
僕の祖父母さえも生まれてない時代だ。
100年を超える長い時間を越えてきたその文字に、
落書きとは思えぬ凄みを感じた。

何が激しいのかとゆうと、妄想が激しいのです。

先日、第27回すばる文学賞の受賞作『蛇にピアス』を数人で回し読みをしました。
話題作だったので、読んでみたいと前々から思っていました。

内容はこれから読む人のために避けますが、ストーリーは少し非凡で、物語りである以上非日常的でしょうね。

妄想族の私達は、物語よりも大きな妄想をありとあらゆる方向へ巡らせてしまうのです。
それぞれ、受けた衝撃は度合いもポイントも違うのですが、反応が激しいのは間違いないです。
日々妄想力を鍛える人々は、きっと本よりも濃いストーリーを自分の中で作ってしまうのでしょう。
飛躍した妄想で、感想を話しているとトークがとまらず、さらなる興奮で何の話をしてたのかわからなくなることはしばしば。。。


主人公ルイはスプリットタンに魅せられている。舌を切開して蛇のように二股にする身体改造するとゆう絵的にも離れ技ですが、何となくピアスの穴を開けた人なら、主人公の気持ちの動きがわかる様な気もします。

とても薄く、内容の割にも文章が読みやすくうまい文章なので、短時間で読めるのでためしてみてください。
そして妄想の世界へ

先週は新人さんの歓迎会がありました。
すっかり慣れたか、はたまたまだ緊張の連続か、
いずれにしても各自一生懸命に毎日を送っていると思います。
新卒採用以外でも中途採用の新人さんもおり、
ずっとこの会社にいる自分には気付きにくいでしょうが、
多分雰囲気は変わっているんだと思います。
リフレッシュしているとも言えるでしょう。

何事にもリフレッシュ感覚というのは重要ですね。

さて、この春に自分で勝手に立てた「自分リフレッシュ計画」
というのがあります。
いきなりある日突然に計画実行といっても、
簡単に変わるものではありません。
それで無理のないペースで、自分を少しずつ
リフレッシュしていこうと、考えています。
公言することで、断念することなく進めるのもあります。

そしてこの続きは、コメントに入れていきますので、
最初の計画は後日ご覧ください。

先入観

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text by 赤様

「心に浮かんだものをそのまま描けばいいのよ」
教室に響く先生の声。絵を描く子供たち。ある学校の授業風景。
そのなかのある子供が、クレヨンで画用紙全体を真っ黒に塗った。
一枚では足らず、何枚も何十枚も塗った。
それを見て、先生は疑問を持った。
この子は何かネガティブなことをかかえているのか、と。

他の教師に相談した。
その子の両親や医師、心理カウンセラーにも相談した。
もし、そんな子がいたら、みなさんはどう思いますか?

その話しはまだ続きます。
先生がその黒い画用紙を見ているとき、ふと気付きます。
そして、その何十枚も塗られた画用紙を教室いっぱいに並べていきます。
するとどうでしょう。
なんと、ものすごく大きな鯨の絵が浮かびあがったのです。

これは、実際に放送されたテレビCMです。
事実に基づいているかどうかはわかりませんが、そこが焦点ではありません。
その子は、鯨の大きさを表現したかったのでしょう。
それを、真っ黒に塗ったことを、精神的な異常をきたしていると解釈してしまった先生。

僕らは他人を見るとき、あるいはいろいろな物事を見るとき、
先入観や固定概念でそれらを見ていないでしょうか。
おそらく、このCM作家はそんなことが言いたかったのだと思います。

とある心理学者が言っていました。
「正三角錐(せいさんかくすい=昔あった牛乳パックのような形)を
描いてみろと言われて描けない子いる。
でもそれは、その子が劣っているわけじゃない。
描けないことが才能なんだ。
絵画の世界では、なにも見た通りに描ける必要なんてどこにもない。
人と違ったその人独自の見方、描き方ができれば、それが才能なんだ」と。

いろんな感覚や考え方があるから世の中面白いのだと思います。
もっと柔らかい思考で物事に接すると、
今まで見えなかったことが見えてくるのかもしれませんね。

冬に逆戻りしたような今週のお天気ですね。
体調など崩されていませんか?私は少し風邪っぽいです。

さて、先週も書きましたが、先週末大親友の結婚式にご招待頂き行って参りました。
当日は、素晴らしい晴天で、八王子の方で行われたのですが、八王子は丁度桜が満開で見事なロケーションでした。
映画のセットかと思うくらい、桜の花びらがひらひらと絶えず舞っていて、それだけで感動的でした。
親友の日頃の行いの良さでしょう。
同じく招待された、親友達と「S子にぴったりの日和だね」と話していました。
それは、本当に心温まる感動的なお式でした。

私のスピーチも、涙有り笑い有りで会場を涌かせたと思うので、私的にはかなりのできだと思います。
ところが、新郎新婦から私にサプライズがあり、大きな花束とプレゼントを頂きました。
新婦を泣かせて、腹の中でしてやったりと思っていたのに、逆に感動して泣かされてしまいました。
こういった心遣いが、親友の親友たる由縁で、約20年も一緒にいられた奇跡を感じました。
私が今まで出会った全ての人に無性に感謝をしたくなりました。

ちなみに、私がもらった花束は3F校正室に飾ってあります。機会があれば見てやってください。

我が青春のヒーロー

| コメント(1)

誰でも青春時代のヒーローっていますよね。

私の場合、アマチュア・ロックバンドでドラムをやっていた関係で、
ドラマーがヒーローでした。

その一人は日本人で、「四方田勇夫さん」。
この方、日本のビッグバンドの巨人の一つである
「宮間利之とニューハード」のドラマーだった人です。
以前のブログでも書いたと思いますが、私が中学〜高校の頃に
テレビで歌謡曲の番組がかなりあったのです。
民放各局がゴールデンアワーに歌番組を持っていたのです。
「歌のトップテン」「ザ・トップテン」「紅白歌のベストテン」など、
いろいろと各局で競うように歌番組を放送していました。
色々とあるその番組のステージで演奏を担当していたのが
当時のビッグバンド達でした。
そのうちの一つ、日本テレビの「紅白歌のベストテン」では
この「宮間利之とニューハード」が担当することが多かったと記憶しています。
見ていた理由の一つが、伴奏の中で出てくる、ドラムの「おかず」です。
「おかず」は「フィルイン」ともいい、一定のリズムパーターンの間に
装飾的に用いられ、その一定パターン以外のフレーズの部分です。
そのフィルインをかっこよく決めるかどうかがドラマーのセンスの善し悪しの
分かれ目になるといえます。
その頃の私の見所は、バックバンドのドラマーのそのフィルインでした。
いくつかあるうちのバンドの中でも、私がカッコイイ!と思っていたのが
先ほどの四方田勇夫さんなわけです。
ドラムセットも、通常のセットに、「メロディックタム」(以下メロタム)という
オプションのタム(太鼓)を追加して、フィルインをかっこよく決めていました。
歌謡曲番組もこれならかなり楽しめる時間に変身していきます。
因みに四方田さんは、当時の国産ドラムメーカーの「パールドラム」のカタログで
使用しているドラマーの紹介ページに載っていました。

一世を風靡した「メロディックタム」も、今ではすっかり姿を消してしまい、
一頃の流行だったんだと痛感します。
多少有名なところでは「アリス」の「今はもう誰も」で、
ドラムの金ちゃんがこのメロタムを使っています。
また、「カーペンターズ」の昔のライブを見た方なら、カレン・カーペンターが
アメリカ製のドラムメーカーの「ラディック」のメロタムを使用しているのを
知っているかも知れません。

ところで先ほどの四方田氏ですが、メロタム以外にも、
足で打つ太鼓のバスドラムを両足の前に置く「ツーバス」という
ドラムセットで演奏していました。
これはとても印象的で、通常ジャズバンドではあまり使わないセットなので
高校生の私には強烈な印象になったのだと思います。

もう一人は、「素直になれなくて」などでお馴染みの「シカゴ」の
元ドラマー、「ダニー・セラフィン」。
当時のロックグループの中でもシカゴはやはり個性的で
ジャズとロックを融合した「ジャズ・ロック」、またはブラスが入るので
「ブラス・ロック」というような言い方をされたりしていました。
彼のドラミングはジャズ寄りで、ロック系のそれとは違っていて
当時のロックドラムからするとあまりカッコイイ音ではなかったです。
私にとってはそのジャズっぽさが良くて、好きなドラマーでした。
シカゴも1974年の「Chicago VII」辺りでは当時少しずつ増えていった
クロスオーバーミュージック(フュージョン)を採り入れて、
何曲かはインストを演奏しています。

時は移って今。

相変わらず音楽は好きですが、多少興味の範囲は狭くなった気がしますが、
やはりヒーローはドラマーです。
Kirk Convington。この人、スコット・ヘンダーソンというギタリストと
最近でも共演しているようですが、テクニック指向のジャズ・フュージョンにおいて
最も好きなドラマーです。かなりの巨体の持ち主ですが、それを感じさせない
スピーディでテクニカルなドラミングが気に入っています。

今回は少々マニアックな内容になってしまいました。
「青春時代の」ということではありませんが、そのうちにデザイナーになってからの
私のヒーローもまとめてみようと思います。アートディレクター、イラストレーター、
コピーライター、フォトグラファーなど、自分のデザインにも影響を受けた人たちです。

多かれ少なかれ、ヒーローというのは自分の趣味の世界で存在するものですね。
私の場合はドラマーでした。
あなたのヒーローは誰でしょう。

子どもは元気よく遊べ!

text by 赤様

小学生のころは団地に住んでいた。
各フロアには長い廊下があって、その両端は階段に繋がっている。
エレベーターもあった。
晴れていれば外で暴れまわるのだが、雨が降ったって遊びたいのが子ども。
そんなとき、その廊下や階段、エレベーターホールが遊び場になる。

泥警(地域によって泥巡と言うところもある)や缶けり、野球にメンコ。
サッカーにベーゴマ、チャンバラごっこ。
子どもだからドタバタドタバタ駆けずりまわる。
自転車にも乗るし、紙飛行機も飛ばす。
当然、ギャーギャー、ワーワー、デカい声も出す。
住人にとっては迷惑な話しだ。
と言いながら、僕も大声を出して騒いでいた。
親は、さぞ気を揉んだだろう。

場所がどこでも、人数が揃わなくても、そんなことお構いなし。
その場その場でどんどん遊びを考えてしまう。
素晴らしい柔軟性。
条件が揃わないと「あーだ、こーだ」言う、
頭の硬くなった大人たちは見習うべきだ。

でもちょっと行き過ぎて、
エレベーターのボタンを全部押して、ドアが閉まる前に降りちゃったり、
廊下や階段の鉄柵に傘を当てながら走って
「カタカタカタ・・・」と大きな音を出したり、なんてことも、
ごくたまに・・・、いやときどきやらかした(良い子はマネをしてはいけません!)。
そんな小学生だったから、
今どき外で遊んでいる子どもをあまり見ないのが、ちょっと淋しく思える。

先日、甥っ子が小学校に入学した。ピッカピッカの1年生だ。
男の子は思いっきり外を駆けずりまわって、逞しく育ってほしい。
親の気苦労も考えずに、勝手にそんなことを思う昨今。

宴のことば

春ですねー  いたるところで春を見つけます。
小さな鉢に、種を蒔き小さな芽がでました。春ですねー

3号さんも、周囲が結婚シーズンですね。私もそんな感じです。
これも、人生の春ですよね。

で、私は今週末親友の結婚式に出席します。
嬉しくもあり、なんか離れて行くようでもあり、複雑の様なきもちです。
複雑な気持ちにさせている原因の一つは、お式の当日スピーチをしなくてはならないとゆう事が私を嬉しい反面、憂鬱にさせるのです。
親友の晴れ舞台。快く引き受けたものの、過去に2度スーピーチをしてどちらも極度に緊張をし過ぎて、周囲を緊張の糸で縛り付けるような息苦しい挨拶をした経験が、私の筆を止めるのです。

きちんとしたお式だし、でも親友らしいエピソードを織り交ぜて…
あーまとまらない!
ほんと手短に、心地いい挨拶は奥が深く、今夜も深みに溺れています

Mac OS Xの現状で思うこと

Windows Vistaが出てもう2ヶ月ほど経ったが、
その後の実稼働率はどのくらいなんだろうか。
あるブログで読んだが、その方の職場では0%だそうだ。
その他の巷の話でも、使用しているというのはあまり聞かない。
出て間もないこともあるし、これからなんだろうか。

ところでMacはどうだろうか。
MacもOS Xになって久しい。
バージョンも上がってきているし、マシンも新型が出ている。
私が自宅で使用しているマシンなどはG4で、OS9とXを併用している。
でもバージョンは10.3(Panther)のままで、
今のところアップする予定はない。
職場では主流はOS Xだ。
新規で社内での制作を行うのは全てこの環境で進行する。

が、まだまだOS9で行う仕事も多いのが現状で、
G4も何台か稼働していて、しっかり現役だ。

以前にOS Xに移行し、マシンも都度G5を補充してきた。
その当時は、今以上にOS Xが浸透すると思っていたが
今になってみると、その進行は予想以上に遅い気がする。

協力いただいている制作会社でも、OS Xに移行するべく
導入を開始したところもあるにはあるが、
まだまだ少ないと実感する。

普通にOS Xでの制作作業が当たり前になるのは、いや、正確に言うと
OS Xで外部との協調作業がなんの問題もなく進行するのは
いつになるのだろうか。

結局はフォントやアプリソフトの互換性など、いろいろな問題を一部で
置き去りにして、マシンとOS、アプリソフトだけが進化しているような気がしてならない。

街角で勉強

漫才 by 赤様&赤様の相方

(両者)どーもーーーっ!

いやー、春ですねぇ。

―――春ですねぇ。桜がきれいですねぇ。

春の陽気に誘われてじゃないですけど、この前渋谷を歩いてましたらね。

―――ほう、渋谷に行ったんですか?

こんなふうに声を掛けられたんですよ。

―――どんなふうに掛けられたんでしょう?

「すみません。手相の勉強をしているんですが・・・」ってね。

―――あぁ! よくありますね、そんなふうに声を掛けられること。

ちょっと急いでたんで、そのときは断って通り過ぎたんですがね。
そんなとき「すいません。人相の勉強をしているんですが・・・」
って言い返したらどうだろうってね。

―――余計に話しすることになっちゃうじゃないですかねえ。
    話しをしたくないから断ったんでしょう?

そうなんですけどね。でも、そもそもあの人は、手を見てどうする気なんでしょうかね。

―――ツボでも見るんじゃない?

ほう、ツボねえって、オイッ、鍼灸師か!

―――「足の裏のツボの勉強してるんですが」って言ったら見せてくれるんじゃない?

立ち止まる人さえ少ないのに、靴脱いで足の裏を見せるヤツがどこにいるっ!
そんなふうに言ったら無視!無視! もうみんなそれこそ無視するよ!

―――知らんぷりしてる人を探してるんですが? なんて言ってみたりしてね。

・・・・・・。

―――でも、こんな私でもね、時事問題には詳しくてね。
    「世相の勉強をしているんですが」って言えば、
    サラリーマンなんか止まってくれるんじゃないかって思うんですけどね。

あぁ、それなら新橋のサラリーマンなんかにはいいんじゃないですか?

―――そこをすかさず、
    「変装の勉強をしているんですが」なんて言っちゃったら・・・。

意外にも、おじさんの口が滑らかになっちゃったり・・・(笑)

―――あぁ、あなたの女装、決まってますよぉ!

滅相もない!

(両者)失礼しました・・・。

都市伝説

桜咲く頃、新入社員がやってきて、新しい風が吹いてきます。
古株でも心機一転、テンションが上がってきますよね。
キラキラした季節、本当に素敵です♪

夜、大きな交差点を渡るとき、何かが降ってくる影を見た気がしました。
雨かと思ったけど、雨粒より大きく雪のようにも見えました。
でも、温かいし雪な分けない。
夜に目を凝らしてよく見ると、桜の花びらが宙を舞っていたのでした。
幻想的で、現実を見失う光景でした。
車の多い通りで、ビルばかりの場所に四季を感じさせる、桜の花びらに感動してしまいました。
周囲を見ても桜の木は見えませんでした。
きっとビル風にあおられ、遠くから運ばれた花びらなのでしょう。
これも一つの都市伝説でしょうか。
儚さに強く惹かれてしまう、桜の強さ。日本って素敵ですよね。

変な趣味

先週は少々仕事のバタバタがあり、このブログも
お休みとなってしまいました。
そろそろ気候も春になって、暖かい日が多くなってきましたね。
しばらく休んでいた自転車も今年からはきっちり復活しようと
色々とプランを立ててみようかと思っています。

そんなプランの中で、随分以前からやってみたいと思っている
サイクリング・プランがあるんです。
それは「江戸・東京の坂巡り」。
なんでまた、とお思いでしょうね。

そもそもそのきっかけとなったのは一冊の本でした。

DSC044201.jpg
↑参考書籍いろいろ。これだけあれば江戸気分に浸れるかも。

「江戸の坂東京の坂 」横関英一著
中央公論新社・1981
ISBN-10: 4122008395
ISBN-13: 978-4122008397

この本、1970年発行の初版の文庫版です。
この中には、東京の坂を写真入りで紹介、また、なぜその名が付いたのかも
解説しています。

よく考えてみると、東京というのは坂の多い地形です。
私の職場のある千代田区も神田の北西部はかなり坂が多い地形をしていますね。
いつも通っているお茶の水から神田小川町の坂道も出社時はいいけど
帰りは上り坂になるわけで、坂と付き合いながらの毎日です。
その坂を降りきった場所が「駿河台下」という場所。
この駿河と言うのも実は理由があって、坂の上から見ると
遠くに富士山が見えたということなんだそうです。
坂の上のエリアは当然「駿河台」なわけです。
少し離れた場所には確か「富士見坂」というのもあったような。
水道橋の南側だったと思いますが。

後楽園の北側に「富坂:とみざか」というのがあります。
昔、学生時代に春日でバイトをしていたことがあって、
よくこの近辺を通っていましたので、憶えていましたが、
この坂の名前は、昔は「飛坂:どびざか」と呼ばれていたんだそうです。
地形を見ればその謎が解けます。
池袋方面から本郷に至るルートは実に起伏に富んでいるんです。
まるで坂を飛び越えて来ているように。
で、とびさか→とみさかとなったと。

こんな話を読んでいたら、とても東京の坂に興味が出てきました。
確かデザイナーになりたての頃でしたから、22、3歳の頃だったと思います。
いつかはこの坂を全制覇してみようって。
後に自転車を手に入れてからは、それを使って回ってみようと
思うようになったんですが。

そんな中、ある日本屋さんで見つけたのが、
「江戸の坂東京の坂 続」横関英一著
中央公論新社・1982
ISBN-10: 4122009022
ISBN-13: 978-4122009028
でした。
なんと続編とは。初版から5年後の1975年の本です。
これで資料は揃いました。あとは実践するのみ。
そう思いながらも、当時の職場の市ヶ谷と自宅のあった西荻窪を
自転車通勤をしていた頃に、ところどころで坂の名前を発見しては
その本のことを思い出したりしていました。
と言いながら、あれから数十年が過ぎてしまったわけです。

既に「続」の中でも、消えて無くなった坂の話が出ています。
現在に至っては更にその数は増えているんだろうと思います。
そしてその当時の面影はかなり失われているだろうことは
想像に難くないと思われます。

ま、そんなことにはめげずに、この春からじっくりと坂巡りを
してみようと考えています。
でも興味のない人から見ると、これって変な趣味なんでしょうね。

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