誰でも青春時代のヒーローっていますよね。
私の場合、アマチュア・ロックバンドでドラムをやっていた関係で、
ドラマーがヒーローでした。
その一人は日本人で、「四方田勇夫さん」。
この方、日本のビッグバンドの巨人の一つである
「宮間利之とニューハード」のドラマーだった人です。
以前のブログでも書いたと思いますが、私が中学〜高校の頃に
テレビで歌謡曲の番組がかなりあったのです。
民放各局がゴールデンアワーに歌番組を持っていたのです。
「歌のトップテン」「ザ・トップテン」「紅白歌のベストテン」など、
いろいろと各局で競うように歌番組を放送していました。
色々とあるその番組のステージで演奏を担当していたのが
当時のビッグバンド達でした。
そのうちの一つ、日本テレビの「紅白歌のベストテン」では
この「宮間利之とニューハード」が担当することが多かったと記憶しています。
見ていた理由の一つが、伴奏の中で出てくる、ドラムの「おかず」です。
「おかず」は「フィルイン」ともいい、一定のリズムパーターンの間に
装飾的に用いられ、その一定パターン以外のフレーズの部分です。
そのフィルインをかっこよく決めるかどうかがドラマーのセンスの善し悪しの
分かれ目になるといえます。
その頃の私の見所は、バックバンドのドラマーのそのフィルインでした。
いくつかあるうちのバンドの中でも、私がカッコイイ!と思っていたのが
先ほどの四方田勇夫さんなわけです。
ドラムセットも、通常のセットに、「メロディックタム」(以下メロタム)という
オプションのタム(太鼓)を追加して、フィルインをかっこよく決めていました。
歌謡曲番組もこれならかなり楽しめる時間に変身していきます。
因みに四方田さんは、当時の国産ドラムメーカーの「パールドラム」のカタログで
使用しているドラマーの紹介ページに載っていました。
一世を風靡した「メロディックタム」も、今ではすっかり姿を消してしまい、
一頃の流行だったんだと痛感します。
多少有名なところでは「アリス」の「今はもう誰も」で、
ドラムの金ちゃんがこのメロタムを使っています。
また、「カーペンターズ」の昔のライブを見た方なら、カレン・カーペンターが
アメリカ製のドラムメーカーの「ラディック」のメロタムを使用しているのを
知っているかも知れません。
ところで先ほどの四方田氏ですが、メロタム以外にも、
足で打つ太鼓のバスドラムを両足の前に置く「ツーバス」という
ドラムセットで演奏していました。
これはとても印象的で、通常ジャズバンドではあまり使わないセットなので
高校生の私には強烈な印象になったのだと思います。
もう一人は、「素直になれなくて」などでお馴染みの「シカゴ」の
元ドラマー、「ダニー・セラフィン」。
当時のロックグループの中でもシカゴはやはり個性的で
ジャズとロックを融合した「ジャズ・ロック」、またはブラスが入るので
「ブラス・ロック」というような言い方をされたりしていました。
彼のドラミングはジャズ寄りで、ロック系のそれとは違っていて
当時のロックドラムからするとあまりカッコイイ音ではなかったです。
私にとってはそのジャズっぽさが良くて、好きなドラマーでした。
シカゴも1974年の「Chicago VII」辺りでは当時少しずつ増えていった
クロスオーバーミュージック(フュージョン)を採り入れて、
何曲かはインストを演奏しています。
時は移って今。
相変わらず音楽は好きですが、多少興味の範囲は狭くなった気がしますが、
やはりヒーローはドラマーです。
Kirk Convington。この人、スコット・ヘンダーソンというギタリストと
最近でも共演しているようですが、テクニック指向のジャズ・フュージョンにおいて
最も好きなドラマーです。かなりの巨体の持ち主ですが、それを感じさせない
スピーディでテクニカルなドラミングが気に入っています。
今回は少々マニアックな内容になってしまいました。
「青春時代の」ということではありませんが、そのうちにデザイナーになってからの
私のヒーローもまとめてみようと思います。アートディレクター、イラストレーター、
コピーライター、フォトグラファーなど、自分のデザインにも影響を受けた人たちです。
多かれ少なかれ、ヒーローというのは自分の趣味の世界で存在するものですね。
私の場合はドラマーでした。
あなたのヒーローは誰でしょう。
同感!私も大フアンでした ♪タッ トン トトン トトト ドロドロ♪高音から低音 シビレました
三年前に四方田さんに連絡がつき 初対面
感激ー涙が出た 四方田さん家の電話番号の入った携帯をトイレに落とし ガクガク
知っていたら教えて下さい
三年前57才と言っておられた、でも伝説の左腕のリズムの取り方は健在でした。