text by 赤様
小学生のころは団地に住んでいた。
各フロアには長い廊下があって、その両端は階段に繋がっている。
エレベーターもあった。
晴れていれば外で暴れまわるのだが、雨が降ったって遊びたいのが子ども。
そんなとき、その廊下や階段、エレベーターホールが遊び場になる。
泥警(地域によって泥巡と言うところもある)や缶けり、野球にメンコ。
サッカーにベーゴマ、チャンバラごっこ。
子どもだからドタバタドタバタ駆けずりまわる。
自転車にも乗るし、紙飛行機も飛ばす。
当然、ギャーギャー、ワーワー、デカい声も出す。
住人にとっては迷惑な話しだ。
と言いながら、僕も大声を出して騒いでいた。
親は、さぞ気を揉んだだろう。
場所がどこでも、人数が揃わなくても、そんなことお構いなし。
その場その場でどんどん遊びを考えてしまう。
素晴らしい柔軟性。
条件が揃わないと「あーだ、こーだ」言う、
頭の硬くなった大人たちは見習うべきだ。
でもちょっと行き過ぎて、
エレベーターのボタンを全部押して、ドアが閉まる前に降りちゃったり、
廊下や階段の鉄柵に傘を当てながら走って
「カタカタカタ・・・」と大きな音を出したり、なんてことも、
ごくたまに・・・、いやときどきやらかした(良い子はマネをしてはいけません!)。
そんな小学生だったから、
今どき外で遊んでいる子どもをあまり見ないのが、ちょっと淋しく思える。
先日、甥っ子が小学校に入学した。ピッカピッカの1年生だ。
男の子は思いっきり外を駆けずりまわって、逞しく育ってほしい。
親の気苦労も考えずに、勝手にそんなことを思う昨今。