漫才 by 赤様&赤様の相方
(両者)どーもーーーっ!
いやー、春ですねぇ。
―――春ですねぇ。桜がきれいですねぇ。
春の陽気に誘われてじゃないですけど、この前渋谷を歩いてましたらね。
―――ほう、渋谷に行ったんですか?
こんなふうに声を掛けられたんですよ。
―――どんなふうに掛けられたんでしょう?
「すみません。手相の勉強をしているんですが・・・」ってね。
―――あぁ! よくありますね、そんなふうに声を掛けられること。
ちょっと急いでたんで、そのときは断って通り過ぎたんですがね。
そんなとき「すいません。人相の勉強をしているんですが・・・」
って言い返したらどうだろうってね。
―――余計に話しすることになっちゃうじゃないですかねえ。
話しをしたくないから断ったんでしょう?
そうなんですけどね。でも、そもそもあの人は、手を見てどうする気なんでしょうかね。
―――ツボでも見るんじゃない?
ほう、ツボねえって、オイッ、鍼灸師か!
―――「足の裏のツボの勉強してるんですが」って言ったら見せてくれるんじゃない?
立ち止まる人さえ少ないのに、靴脱いで足の裏を見せるヤツがどこにいるっ!
そんなふうに言ったら無視!無視! もうみんなそれこそ無視するよ!
―――知らんぷりしてる人を探してるんですが? なんて言ってみたりしてね。
・・・・・・。
―――でも、こんな私でもね、時事問題には詳しくてね。
「世相の勉強をしているんですが」って言えば、
サラリーマンなんか止まってくれるんじゃないかって思うんですけどね。
あぁ、それなら新橋のサラリーマンなんかにはいいんじゃないですか?
―――そこをすかさず、
「変装の勉強をしているんですが」なんて言っちゃったら・・・。
意外にも、おじさんの口が滑らかになっちゃったり・・・(笑)
―――あぁ、あなたの女装、決まってますよぉ!
滅相もない!
(両者)失礼しました・・・。