text by 赤様
先日、大相撲のロンドン公演が行われた。
ロンドンの街を力士たちが闊歩した。
その光景が微笑ましくて、
チャンネルを替えては、
何度もそのニュースを見てしまった。
国外からロンドンを訪れる有名人の多くは、
警備の都合でほとんど街に出歩かないらしい。
でも、力士たちは場所(試合)の合間に街に出て、
観光やグルメを堪能した。
僕が興味を持ったのは、
物珍しさで近寄って来るロンドンっ子たちとのやり取り。
写真やサインに応じるのはわかるが、
ファンを抱え上げたり、体当たりされたり、力比べをしたり。。。
それは力士だからこそできる愛嬌あるふれあいだった。
体格や浴衣や髷(まげ)が、
そして体を揺らして歩く姿が
ロンドンっ子には、異文化で、滑稽で、
パンダやラッコを見ているような、
愛くるしさを誘うのではないだろうか。
それにしても、公演が連日満員で驚いた。
みなさんは、
誰ひとり選手を知らないスポーツの観戦に行くだろうか?
おそらくロンドンっ子たちの多くは、
力士をほぼ知らないと思われる。
たとえば、日本にイギリスのクリケットのチームが来たら、
みんな見に行くだろうか?
やっぱり、それはあの力士の愛嬌があるからだと想像するのだ。
ロンドンっ子のハートを、
力士たちは掴んじゃったのだと僕は勝手に思っている。

