text by 赤様
ニューヨークのタイムズスクエアで、
走幅跳の試合が行われた。
道路の真ん中に、特設の助走路と砂場を作り、
照明や音響などの演出装置を配置した。
出場したのは世界陸上でメダルを獲った選手たち。
街の中で行われるという珍しさもあって、
大いに盛り上がったと聞く。



なぜ、こんな街の中で?
と思われるだろうが、
今、スポーツ界は集客に躍起になっている。
スタジアムやアリーナでやっているかぎり、
その門をくぐろうとしない者の目に触れることはない。
新しいファンを増やそうと思ったら、
市民の目に触れるところに出て行くしかない。
そんな発想が広がりをみせていて、
日本でも、相撲やプロ野球のような、
古くから多くのファンを抱える競技でさえ、
様々な取り組みをしてファン獲得を狙っている。
選手が学校の校門の前に立ち、
登校してくる生徒とハイタッチしたり、
畑仕事を地域の子どもたちと一緒に手伝ったりと、
公園に土俵を作り、通りがかった人と相撲をとったり。。。
そうしたチームや競技は、
徐々に認知度を上げつつあるのだそうだ。
まず知ってもらい、見てもらう。
あわよくば、一緒にやってもらう。
ケーブルテレビで有料放送をして、
コアファンから収益を上げるという時代から、
誰でもいつでも無料で見られる動画配信に変化したように、
敷居を下げていくのが今の潮流なのだ。

