盆踊考

東京の相原に暮らしていたある夏、

開け放った窓から歌が聞こえてきた。


『月が でたでた 月が出た』


炭坑節である。盆踊である。

夕闇に提灯が浮かぶ会場で、

人々が踊っていた。


当時二十代後半であった私は、

これまでの人生で盆踊を間近で見たことがなかった。


その夏は盆踊をそこら中で見ることとなる。

相原の土地柄に衝撃を受けた。


島根県松江市で幼少期を過ごした私は

盆踊を知らない。


明治に松江に在住した作家、小泉八雲の著書(「新編 日本の面影」)に、

松江城築城時の伝説により踊りが市内で行われなくなった、

と書いてあったが、はたして。


盆踊は誰でも飛び入り参加可能らしい。

本当だろうか?

あの一体感には、一見お断りのような高い敷居を感じる。

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このページは、cmemberが2024年8月14日 09:00に書いたブログ記事です。

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