今年の2月頃に、このブログ内で可処分時間の使い方という記事を書きましたが、それに近いものを感じたことがありました。それは、Yahooニュースで「映画を早送りで観る人たち」の出現が示す、恐ろしい未来」という記事を読んだことです。
同じ作品を何度も繰り返し見ている人ならまだしも、初回から早送りする人がいるのか...と衝撃的でした。
早送りで鑑賞することへの共感はできませんが、そもそも早送りで見る人たちにとっては、(早送り対象の)作品を楽しむためではなく、話題についていくために見ているとするならば、理屈は通るのかな...と。
それからしばらく経ち、つい先日のことですが、映画館で「ノマドランド」を見たあと、しばらくして、また先の記事の内容が頭をよぎりました。
※上記画像お借りしました
この作品は、ノンフィクションの原作を基にしたロードムービーで、リアルに描かれるノマドと、アメリカ各地の美しい景色、遣る瀬無さの傍らで人と人のぬくもりも感じられる素敵な作品でした。この作品は、シーンごとの、静かな間合いが演出の肝となっているように思います。
記事に取り上げられたような流れが、仮に、今後世の中に浸透していったとしても、やはり、私は話題のためだけに作品を消費するのではなく、ひとつひとつの作品を鑑賞していきたい、と思いました。
最後に。今回取り上げた「ノマドランド」について。主演のフランシス・マクドーマンドが、彼女の今までの作品同様に圧巻の演技力でしたし、先の通りリアルな光景とアメリカの美しい景色との交差が素晴らしいので、ぜひ映画館でご覧いただきたいなと思います。