犬も歩けば赤岡町

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text by 赤様

先日、ラーメン屋に入ったときのこと。
座ったカウンターの奥に張り紙がありました。
『「メンマ」と「しなちく」は、おなじもの』
おそらく店員の中国人がわかるようにという意図なんでしょうが。
なんとなく、可笑しくないですか?

外出すると、街やお店、公共のスペースで、
無意識にそういうものを探してしまう習性が、
僕にはあるようです。

さて、路上観察学会という学会があります。
これは、ちゃんとした学問の学会ではなく、
出版する目的でできた集団で、
「老人力」の作家の赤瀬川原平や、南伸坊などが中心となっています。
街中に「ヘンなもの」を見つけては、
それを溢れる妄想で楽しんでしまおう、というものです。

たとえば・・・
建物の高いところに扉がついているのだけれど、
扉の外側には、人間の立つところ(ベランダや通路など)が何も無かったり・・・
とか、
古い看板の文字が1文字消えていて、怪しい言葉になっていたり・・・
とか。

そんなものを探して、
これは誰がどんな経緯で作って、なぜヘンな状態になっちゃったのか?
と、勝手にストーリーを膨らませていくのです。

みなさんもそんなものを、何度か見かけたことがないですか?
一見、たいしたこと無いものばかりなんですが、
これはもう、見つけた人の感性で、
どんどん勝手に楽しんで、楽しければそれでいい。
もうそれでおしまい。そんな世界なんです。

さてさて、高知県に赤岡町という町がありました。
なんでも日本で2番目に小さい町だったそうですが、
数年前の市町村合併でなくなってしまいました。

その赤岡町に、路上観察学会が来て、
こんな本を出しました。

犬も歩けば赤岡町.jpg

『犬も歩けば赤岡町』 編集:赤岡町まちのホメ残し隊
2001年発行で、もう絶版してしまいました。

ちょっとだけ中身を紹介すると・・・

  『宝石 はん』という看板が出てきます。
  おそらく、お店の看板なのでしょう。
  宝石屋で「はん」というネーミング。どう思います?
  そもそも、なぜ「はん」なのか?
  いや、これは「宝石はん」って言うんだよ、京都弁で!
  え? それじゃ何屋さんなの?
  いや、「宝石」と「はんこ」を売ってるんだよ!

・・・ってな具合で、写真付きで好き勝手言ってます。

こんな感じで、中身は本当にばかばかしいのですが、
なんか不思議な可笑しさがあります。

で、先日、僕のウチの近所で、
こんなのを見つけました。

とまれ.jpg

よくみると、
「ま」がひらがなで「レ」がカタカナです。
アスファルトを張りなおしたあとの一時的なものなんでしょうが、
「れ」をつくるのが面倒だったんでしょうね。
ならば、最初から「ま」を「マ」にすればよかったのにね。

みなさんも、こんなものを探してみてはいかがですか。
日常が楽しくなること、間違いなし!ですよ。

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トマソンもおもしろいですね。
好きです。観察って。

ところで表紙の表紙の「お父さん」が気になります。

トマソン、面白いですよね。

そういえば、お父さん・・・
気付かなかった。

でも、2001年発行なので、
表紙はお父さんじゃなく、
おじいさんかも・・・

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このブログ記事について

このページは、cforceが2009年5月15日 09:00に書いたブログ記事です。

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