韓国の若者って・・・                赤様

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 携帯電話を利用した組織ぐるみのカンニング事件があった去年の韓国の大学入試。先日、今年の試験が行われた。事件の影響で試験会場への携帯電話は持ち込み禁止になり、会場入口では一時預かりの電話が山のようになった。受験生はトイレに入るのでさえ、携帯電話を隠し持っていないかと金属探知機で調べられた。

 韓国は物凄い学歴社会である。日本の比ではない。出身大学で就職はおろか結婚相手を選ぶときなど、その後の人生のほとんどにそれが付きまとう。だから受験生の勉強時間も半端じゃない。ある受験生は放課後学校の図書館で、その後日付が変わるころまで予備校の自習室で。ここで帰宅するのかと思いきや明け方まで民営の有料自習室で勉強して帰宅するのだそうだ。その受験生の頑張りにも脱帽だが、自習室が24時間営業というのにも驚いた。

 もう十数年も前の学生時代、友人と日光にドライブに行ったときのこと。帰りに日光杉並木を通った。夕暮れで交通量も多い中、道端に手を上げる若者男子2人。「乗せてやろうぜ」とナビ役の僕が言って、ちっちゃい軽のワゴン車はいっぱいになった。「どこまで行きたいの?」返ってきた話し方で東アジアからの旅行者とすぐにわかった。聞けば韓国の大学生で日本中を旅しているのだそうだ。

 当時はチョ・ナンカンもヨン様も登場前なので、僕らの韓国語の知識は全くといっていいほど無く、知ってる言葉といえば有名なサッカー選手と大統領の名前。「釜山港へ帰れ」という昔のヒット曲で覚えた釜山という地名と、首都のソウル。はっきり言ってこんなの言葉じゃないよね。でもそれからが面白かった。宇都宮の街に近づくにつれ、渋滞でノロノロ。日が落ちようとしている薄暗い車中。彼らは大きな登山用のリュックからメモを取り出し、筆談が始まったのだ。

 同じ意味の言葉を言語を変えながら試行錯誤を繰り返し、時には絵を描いてようやく意思が通じたときの興奮はいったい何なのだろう。彼らのおおらかな人間性と、僕らの好奇心とが重なり、会話はおおいに弾んだ。以来、外国人を見ると用もなく話しかけたくなる気持ちがしばらく抜けなかったほどだ。宇都宮の駅で彼らを降ろすまで1時間あまりそんなやりとりが続いた。その高揚感は今でも忘れられない。

 互いのコミュニケーションを支えたのは、漢字という共通の知識。日本語は旅行に必要な程度は彼らにはあった。しかし、それ以上に素晴らしい能力があった。抜群の英語力と僕らの意図をたくみに読み取る洞察力だった。僕らはといえば落第レベルの英単語力と人にはお見せできないほどの絵で応対というお粗末さ。今思い返せば、その良いひと時は彼らの秀才ぶりに助けられたのだろう。名前も顔もすっかり忘れてしまったが、彼らは今頃どうしているのだろう。

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韓国では最近まで漢字さえも使用しないと聞いていました。ハングルの使用を政府も薦めていたそうで。ここに来て漢字を見直そうという動きが出てきたそうですね。ハングルって表音文字なので、一文字だけだと何のことだか分からないんだそうです。日本語でも、仮名ばかりだと単独だと分かりませんものね。そんな中での漢字の分かるコリアンは、それなりのインテリだったんでしょうね。
「外国人となると用もなく話しかけたくなる」って赤様の言うことは共感できますね。外国人とのコミュニケーションをとる中で、ここの部分が一番重要なポイントだと私も感じています。ひょんなきっかけでインドネシア語を習うことになって、現地で使って更にうまく彼らと意思の伝達ができたときのうれしさって、特別なものが有ります。更に語学が上達する刺激にもなりますし。
ところで、今のところ漢字をメインに生活の中で使用しているのは、結局中国人と日本人だけなんですね。私の女房の知人で中国本土の出身のファミリーがいるんですが、奥さんは日常会話はほぼ把握しているようですがご主人はまだまだ会話は苦手なようです。でも、さすがに面白いもので、漢字での筆談も交えた会話になると、お互い結構意志の疎通ができるものです。ま、中国は漢字しかないんで、漢字は文字としては必須ですけど。それに比べて日本語には仮名がありますから、漢字が苦手な方には仮名も使えるって手段も有るわけです。
ところでそのご主人、最近パソコンを買ったそうで、行ってみると私と同じダ○○ブックでした。ヤフーで検索するにも、日本語のサイトでも、漢字が使われていると大半は理解できるそうです。文化は違ってもコミュニケーションをとるのに、漢字という共通の媒体があるんです。これってある意味、すごいことだと思いますよ。

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このページは、cforceが2005年11月30日 09:00に書いたブログ記事です。

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