先日、東京国際女子マラソンで高橋尚子が優勝した。それはちょっと置いといて・・・。
マラソンのレースでは、水分を採るための給水所があるのはご存知だろう。コース上に何ヶ所か置かれた給水所には、工夫されたランナーのボトルが並んでいる。走りながらでも取りやすいように。そのために目立つように。
中身もこれまた各自工夫。スポーツドリンクやお茶などを、薄めたり、ブレンドしたり、蜂蜜を混ぜたり。飲みやすさや身体への吸収を考えてオリジナルを作る選手も少なくない。夏のレースでは飲む時刻を想定して氷の量を調節したりもする。
しかし、私たち市民ランナーはそんなことはしない。いやそこまでするようなレベルではない。主催者側が用意する使い捨ての紙コップ。これが私たちの馴染みのアイテム。でかいバケツいっぱいに汲まれたふつうの水。これを係員がでーっかい柄杓でもって紙コップにダァーッと注ぎ、でーっかいテーブルに無造作に置いていく。通りかかったランナーはみんなこれを利用する。こっちとしては、まさに喉から手が出るほど・・・状態だし、無料だし・・・。で、遠慮なくいただく。普通の水なのだが、これがたまらなくありがたい!
が、しかしだ。これが非常に飲みにくい! コップとボトルという違いはあるのだが、テレビで見るトップ選手のように、スマートに飲もうと色気が出るとみっともないことになる。コップの中で揺れる水を飲もうとするわけだから、顔にかかるわ、鼻に入るわ。しかもこぼれて足を濡らすわ、シューズを濡らすわの大騒ぎ。
で、それがイヤで立ち止まる人がいる。止まると確かに飲みやすい。が、一度止まると走る気力は瞬く間に消え失せる。経験した方ならご存知だろうが、走りながら物を飲むという作業は、人間は不得手らしい。走ってる時は呼吸は止められない。ストローがあれば格段に飲みやすいだろうが、まさかマイ・ストロー持参で走るほど格好悪いものはない。みんな手にストロー持って「位置について」なんてことになると売れないお笑い芸人のコントようだ。それが何千人・・・。なんだかなー。
私の場合は、コップを取ったらまず水を半分捨てる。そしてコップの飲み口の部分を半分に折って、その隙間から口の中に流し込む。走ってる時には大量に飲む必要はない。口いっぱいの量で十分なのだ。そのかわり各給水所で必ず飲むようにする。これだとシャツや足にかかって格好悪いなんてことにならずにすむ。
でも水分が上手く採れるようになったからって、高橋尚子のように早くなるわけではない。当たり前な話しだ。その高橋尚子は走るごとに「楽しい42キロだった」と言う。走るのは嫌いという大多数の方々には、想像すらできないだろうが、レースに出て走るというのは、学校や部活などで走らされるのとはちょっと違ったものがある。なぜかワクワク感が・・・。私は以前から試合や運動会のようなものは大好きだった。それにこんな私でも沿道から応援してもらえる。なんだか偉くなった気分になる。ちょっとこれは非日常的なシチュエーションだから例え難い。だけど練習は大嫌いだ。いつかはオリンピックや東京国際~どころか、ホノルルさえ夢のような話しである。
確かに給水には技術がいる。
でも上手な給水がいい記録、充実した走りにつながるのは間違いないだろうね。
人生の給水も上手にできるといいね。