text by 赤様
パリのオリンピックとパラリンピックが幕を閉じました。
僕が最も印象に残ったのは、
選手の勝利でも、素晴らしいパフォーマンスでもなく、
観客の大歓声でした。
選手へのインタビューでも、
多くの選手が、観客の声援への感謝を口にしていました。
2021年の東京オリンピックが無観客で、
だからこそ観客の声援にありがたさを感じたのでしょう。
でも、僕はそれ以上に、観客の熱を感じました。
みんな、ちゃんと競技をみていて、
称えるところ、励ますところ、後押しするところで、
的を得たように、大きな声援や拍手が湧き起こりました。
観戦のツボを知っているなと思えたのと同時に、
どうしてこんなに盛り上がれるのか、という疑問を持ちました。
よくよく考えたら、ちょっとピンとくるものがありました。
フランスでは、
パリダカールラリー(自動車、バイクのオフロードレース)
ツールドフランス(自転車のロードレース)
UTMB(トレイルランニング)
ルマン24時間レース(自動車のサーキットレース)
など、
世界中の選手やファンが憧れるスポーツの大会が、
いくつも生まれているのです。
挑む者たちを鼓舞する熱量と、
それを支持する土壌が、
彼ら、フランス人の根っこにはあって、
それが、あの盛り上がりを生み出しているのかと、
思えたのです。
まるで自分たちも、
エンターテイメントを魅力的にしている要素のひとつと
自覚しているようで、
とても素敵だなと思えました。