スケートボードで見た気持ち良さ

text by 赤様

失敗のリスクがあっても難しい技に挑戦するか、
失敗を恐れて無難な技で手堅くいくか。

採点競技の選手は、
こんなもどかしい問いと常に向き合っている。

4年に1度、いや各個人にとっては一生に一度の大舞台。
手堅くいけば銅メダルが獲れるかもしれないが、
他の選手次第では4位以下もありうる。
でも、やはり欲しいのは金メダル。
ならば成功するかわからないが難しい技に挑みたい。

選手からみれば、そんな葛藤がある一方、
他者からみれば、難しい技にどんどん挑戦することは、
その競技の魅力でもあり、また選手のカッコ良さにも通じる。

オリンピックのスケートボードは日本選手の好成績もあり、
注目を集めた。
なかでも印象に残ったのは、
女子のパークという種目に出場した岡本碧優選手。
大技に挑戦したが失敗した。
すると国籍を超えた選手が次々と彼女の元に集まり、
その挑戦を称えたのだ。
すごくいいシーンだった。

正直に言うと、
スケートボードは失礼ながらスポーツというよりも
遊びという感覚が僕にはあった。
でもそこには良い発見があった。

選手は失敗しても明るく振舞うこと。
ライバルではあるけどリスペクトもしていること。
選手間に国も順位もあまり関係ないこと。
なにより自分たちは仲間であること。
そんな価値観が滲み出ていて、
見ていてすごく気持ちが良かった。

典型的な縦社会のスポーツ界に、
取り入れた方がいいのでは?
と思えるものがたくさん詰まっていた。

世の中がどんどん変化するなか、
スポーツが魅力あるものであり続けるには、
そんな新種目の良いところを貪欲に取り入れた方がいいと思う。



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このページは、cmemberが2021年8月13日 09:00に書いたブログ記事です。

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