こんにちは、Qです。
今回も和紙の話です!(えぇ~)
前回のトークイベントの数日後に開かれた
越前和紙のトークイベントにも行ってきました!
登壇者は
・和紙屋 杉原商店 杉原吉直さん
・ブックデザイナー 名久井直子さん
・グラフィック社 津田淳子さん
越前和紙は、前回紹介した高知の土佐和紙、
オリンピックの賞状にも使用された岐阜の美濃和紙と並ぶ
日本三大和紙の1つです。
最近だと東京オリンピック開催にあたり、全国のANAのラウンジに使われた他、
抗菌効果から宇宙滞在用の被服に採用されるなど、紙以外でも用いられています。
そんな越前和紙の始まりは1300年前。
全国で唯一の紙漉きの神様 川上御前が、
谷間で田畑が少なく生計を立てることが難しかった村人に
水が綺麗だからと紙漉きを教えたことが始まりだったそう。
後に公家・武士階級の公用紙として広まり【室町】
徳川より日本一の証印「御上天下一」を許されたり【江戸】
大蔵省と偽札防止の透かし技術(黒すかし)を開発したりと【明治】
長い歴史の中で確固たる地位を築いてきました。(!)
残念ながら、ユネスコの無形文化遺産には登録されていませんが、
これは、越前和紙が「残す遺産」ではなく今現在も「リアル産業」として
まだまだ売っていくぞ!という気持ちがあるからだそう。
杉原さんも何度も「買ってくださ~い^^」と仰っていました。
売れることで職人の技術が求められ続いていくからと。
そういえば、福井(鯖江)で眼鏡の生産技術が上がったのも、
雪深く農業ができない農家の暮らしを向上させるため。
冬の副業として発展させていったという歴史があります。
生きる為に村全体で新たに技術を学び
世界に誇れる技術として大成させていった。
先人たちからは学ぶ背中が多くあります。
そんな歴史を学んだあと、ゲストの名久井さんが紹介されたのは、
小学館発行の『100年ドラえもん』
(↑クリックすると公式サイトに飛びます)
45冊セットで完全受注生産の記念本のため、
現在は製造されていません。
布クロス装のシルクスクリーン印刷。
背表紙に記載の文字や表紙記載の巻数は金の箔押しという豪華仕様!
その見返しの紙に、ドラえもんの透かしを入れた越前和紙が使用されているそうです。
「100年ドラえもん」公式note「見返し②」
┗記事の中で透かしのドラえもんが見れます!
和紙は原料の比率等により、ちぢみの比率が変わるため、
顔が扁平になって藤子プロNGにならないよう調整が必要で。
テストは手漉きで行っていたため、本番の機械漉きの前には
小学館、藤子プロの皆さんで川上御前が祀ってある
神社までお祈りにいったそうです(笑)
そして、見返しの中に見切れていないドラえもんが
必ず1か所は入るようにとの注文から
天にする方向の指示をいれたりと大変な部分みあったそう。
遠目には見れましたが近くでは見れず......
小学館に展示されていないかなあ。
もしくは国立国会図書館ならあるか?
知ってしまったからには一度は手に取ってみたいQでした!
2回にわたる和紙シリーズ、長すぎですね(笑)
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
終わりに今回のイベントで増えた宝物の写真を
(御本にサインをいただきました;;)
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余談①
フェンシング男子エペの山田優選手が
Twitterにオリンピックの賞状(美濃和紙)をアップしていました。
https://twitter.com/masaru_fencing/status/1421487378598744068?s=20¥
競技場のVIPルームにも和紙が使われていたそうですが、
コロナの関係で使われることなく日の目を見ずに終わったとか・・・
こちらも何かのタイミングで見れる機会があるといいなあ。
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余談②
先日イタリアメガネメーカーLuxotticaが鯖江のめがねフレームメーカーを買収し製造拠点を開設したそう。
ショールームも併設されるようで帰省した時の楽しみが増えました。
いつかブログで紹介できれば!
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余談③
「100ドラ」見返し部分の制作秘話はこちらから(公式note)