Qです。今回長いです...。
先日、TOBICHI東京で開催されている
「神田かわいい和紙祭り」のトークイベントに行ってきました。
ゲストは
・土佐和紙のひだか和紙 鎭西寛旨さん
・ブックデザイナー 祖父江慎さん
・グラフィック社 津田淳子さん
登壇者、すごくないですか...!(泣)
下2名は言わずもがななので、 鎭西さんの紹介を。
鎭西さんは「ひだか和紙」の5代目で、今回は世界で一番薄い和紙
「土佐典具帖紙(とさてんぐちょうし)」の紹介で登壇されました。
(今回のイベントは『デザインのひきだし 43』の和紙特集がきっかけで開催。)
土佐典具帖紙は楮(コウゾ)100%で作られていて、
厚さは0.02mm、1平米の重さはなんと1.6g!
0.02mmは日焼けで剥けた皮膚と同じ薄さだそうです。
主に絵画などの美術品の補修などに使われているため
タテ目ヨコ目がなるべく出ないように漉かれているそう。
和紙なのに持ち上げると風にのって ふわふわそよいでいました。
祖父江さんがみんなにもと回してくださり
実際触ってみると、なんて柔らかくて軽い...!
防水加工してもこの柔らかさを維持できたら
色を乗せて舞台衣装に使えそうだなあと思ったり。
そして今回、 鎭西さんがその日に刷り上がったばかりだという
ポスターを公開してくれました。
高知県が舞台になっている「竜とそばかすの姫」のポスター。
(以降画像をクリックすると拡大します)
何だか違和感ないですか?
これ、2枚の和紙の層になっていて、
下層は通常の土佐和紙に印刷をしたもの
上層は土佐典具帖紙に同じ印刷をしたもの(すごい...!)
レイヤー構造にすることで重ねたときに奥行きが出て見えるそう。
(す、3Dメガネをかけているみたい...!)
刷り上がりということでインクの香りも感じつつ。
持ち上げたり斜めから見たりスロー録画したりと堪能しました。
和紙職人は昔に比べるとかなり減っていて、
職人さんは新しいアプローチを探して試行錯誤。
そんな中、ひだか和紙の鎭西さんが考えたのが、
独自製法の土佐典具帖紙を使ったレイヤー構造。
0.02mmの薄さだから表現できるもので、他には真似できない取り組みです。
自社の強みを最大限に活かした新しい取り組み、見習わないと。
最後にみんなで土佐典具帖紙を千切らせてもらいました。
\ぜひアップ画像で楮の繊維を堪能してください!/
大胆に千切ってスカーフのように首に巻いている人を
祖父江さんが楽しそうに見ていて、遠慮がちって損だ!と省みたり(笑)
なにより津田さん、祖父江さんにお会いできたことに感無量...!!
とにかく祖父江さんがとってもチャーミングな方で...割愛。
少しだけですがお話しできて、本当に、とっても楽しかったです。
この土佐典具帖紙、7/29(木)からTOBICHI 東京で
1平米サイズとA4サイズで販売されるそうです!
先述の「竜とそばかすの姫」のポスターも掲示されるとのこと。
気になる方は昼休みや業務後に足を運んでみてください。
次回のトークイベントは今週土曜に、
津田さんと、ブックデザイナーの名久井直子さん(!)
越前和紙の紹介で杉原商店の杉原さんが来られるとのこと。
福井県民なら、1度や2度 越前和紙の紙漉き体験をしているので愛着があります。
どんな話が聴けるのか。都内で福井に触れる瞬間はやっぱり嬉しいなあ。
ちなみに、今月発売された『デザインのひきだし 43』の表紙は
越前和紙の「ひっかけ法」で作られていますので
店頭で見かけたらぜひ、じっくり眺めてみてください。
なんだか業者の人かな?ってくらい紹介ばかりの記事になってしまいました...。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
■当日の様子(TOBICHIの公式Twitterより)
■土佐典具帖紙で作った名刺(リンク先祖父江さんのTwitterより)
■「神田かわいい和紙祭り」(公式サイト)