これは32年ほど前の写真だ。
まだマウンテンバイク(MTB)が珍しかった頃に、いち早く購入したときのものだ。
今のMTBに比べると、フレームサイズも大きめで、部品の色もシルバーが多い。
アメリカの西海岸で生まれたMTBの最初の登場はこれよりも更に前に遡るが、
日本において本格的に、更に言えば一般的に販売が始まったのはこの頃だった。
元々はアメリカのビーチクルーザーという砂場を走るのに適したファットタイヤという極太のタイヤを履いた自転車に、
変速機を付け、制動力の期待できる大型のブレーキを取り付けたようなスタイルが原型に近いものだ。
それらを始めたパイオニア達によって、次第に改良されて行くことになった。
そこでは今までの自転車に無いアイデアを具体化したパーツが試行錯誤で創られたりした。
そして、アメリカだけでなく、当時アメリカでも販路のあった日本のメーカーやパーツメーカーなどもこの流れに合流して、
新しい専用パーツなども揃いはじめた頃だった。
現在のMTBからは似ても似つかない姿だが、現在はレースでも多種に渡って細分化されて、それぞれの種目に応じたスタイルに変化してきている。写真ではカンチブレーキであったものが、今ではディスクブレーキになったし、フレームの形状も前上がりのスローピングが当たり前になって、大きく変化してきている。サスペンションも然り。
ロードバイクに目を向ければ・・・・
現在の主流はカーボンフレームになり、これもまた当時珍しかったアルミフレームは当たり前、という状態だ。
ボクは元々はツーリングを主体に自転車と関わってきたので、今でもランドナーという車種を中心に使用しているのだがこれらは既に絶滅危惧種で、一部メーカーで製造されているものの、選択肢はかなり狭い。それらが無くなった分、ロードバイクのカテゴリーから新しいモデルも少しずつ増えてきている。グラベルロードなどもそのいい例だろうか。ブルベの人気もそれに影響しているフシもある。
自転車の流行ももうそろそろ、なんて以前は考えたこともあったけど、この様子で行けばそう簡単には落ち込まない気がする。
そしてまた姿かたちを変えて新しいモデルが出てくるんじゃないかという気がしている。
シンプルな割には常に進化しているのだ。