text by 赤様
「泣こかい 飛ぼかい 泣こよか ひっ飛べ」
この言葉、ご存知でしょうか?
これは、薩摩(今の鹿児島)の言葉で、
『ぐずぐず考えてないでサッサと実行しろ』
という意味の言葉です。
高いところから飛び降りようとする子どもが、
飛び降りようかどうしようか迷って泣くくらいなら、
サッサと飛び降りろ、
という出来事が由来のようです。
どこかの偉い先生がこう説明していました。
頭がいいとか、剣術が秀でていることで昔の武士は出世できたが、
薩摩ではそうではなく、
勇気があることが素晴らしいという風土があった。
強いものに向かっていく人間が偉いと言われた、
のだそうです。
幕末の動乱期に、島津斉彬や大久保利通、西郷隆盛など、
国を動かすほどの優秀な人材が多く育ったのは、
そんな土壌があっだからなのでしょう。
新しいことに挑むときや、何か物事を変えていく場合、
それはとても勇気がいることです。
そしてそこには、失敗のリスクが必ず付いてまわります。
俯瞰してそういうところまで考えると、
薩摩には、挑んで失敗することより、
挑むこと自体が素晴らしいという背景も、
同時にあったはずだと僕は推測するのですが、いかがでしょうか。
混迷する現代に、英雄待望論を説く前に、
こうした土壌を築いていく作業を、
僕らひとりひとりがしなければならないのではないか。
そんな気がしてなりません。