第8回

僕は、ばあちゃんに抱きつき泣いた。
どれくらい泣いたのだろうか?

しばらくすると、ばあちゃんが、
「たかひこ、お祭りに行く?」と声をかけられた。


僕は、あの日行けなかったお祭りに、
ばあちゃんと一緒に出掛けた。

ばあちゃんに綿菓子を買ってもらい、
ばあちゃんと一緒に食べた。

僕はとにかくしゃべり続けた。
長い間、胸につかえていたものがとれ、
ばあちゃんと一緒にいる時間を楽しんだ。

お祭りの帰り際に、僕はばあちゃんにお願いした。
「ねえ、ばあちゃん、この飴買ってよ!」

僕は、ばあちゃんに買ってもらった飴を手に持ち、
家に帰った。










「・・・ん!・・・・よ!!」


「・・さん!・・・すよ!!」


「お客さん!終点ですよ!!」


僕は再び、駅員に肩を揺すられ目がさめた。
僕の右手には、飴玉があった。


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このページは、cmemberが2010年12月 2日 08:35に書いたブログ記事です。

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