text by 赤様
最近のどを痛めていて、のど飴をなめている。
なめているあいだは、エヘン虫が静まり楽になるのだが、
何個かなめると、甘ったるいあと味が口の中に残る。
その甘さがイヤで、
『甘くない飴は無いものか・・・』といつも思う。
でも、甘いものは嫌いじゃない。
いや、むしろ好きな方で、
好きな食べものは? と聞かれると、
「アイスクリーム、生クリーム、チョコレート」
と答えるくらいだ。
それにしても、人間はなぜ甘いものが好きなのか?
♪ほー、ほー、ほーたる来い
あっちの水は苦いぞ
こっちの水は甘いぞ
という歌がある。
甘いものを好むのは、人間だけじゃなく、生物の持つ習性らしい。
動物が果実をかじる映像をよく見るように、
飢えを凌ぐのに、最低限の栄養分(特に糖分)を得るのに、
最も手っ取り早い方法だ。
反対に、苦いものは食べるのに適さない。
腹をくだしたり、ときに毒で命を落とすことから、
生物が生きていくうえで、長い時間をかけて得てきたことなのだ。
ただ、生物のなかでも人間は特殊で、
苦いもの、辛いものでも好んで食べる。
たとえば、ビールやコーヒーなどのように、
最初は苦いと感じても、人間の味覚はだんだんそれに対応し、
旨いとさえ感じるようになる。
そして、まるで中毒症状のように、年中そればかり口にする人間も多い。
まあ、それはそれで放っておいて・・・。(笑)
言葉にも同じように、
肯定的な出来事、楽な事を「甘い」と言い、
否定的な出来事を「苦い、辛い」と言う。
意味としては、おそらく同じところから発生し、
そんな食べ物の教訓が反映されているのだろう。
それで、ふと考えた。
世の中甘くない、世知辛い、とよく言われる。
でも、ビールやコーヒーではないが、
目の前に起こる出来事の『摂取の仕方』に対応すれば、
もしかしたら、世の中も旨いものになるのかもしれない。