情熱大陸

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text by 赤様

情熱大陸という番組がある。
毎週日曜日の夜に放送している番組だ。
それが、まもなく600回目の放送を迎える。

もし、テレビ番組を一週間でひとつだけしか見られないとしたら、
僕は迷わずこの番組を選ぶ。
だから録画はいつも欠かさない。

一度も見たことのない人のために、老婆心ながら説明すると、
ある分野で注目されている人物に一定期間密着し、
その人の人間性、価値観、人生観、
そして仕事に対する情熱を描いていくドキュメント番組だ。

登場人物は有名無名を問わない。
でも、彼らが身を置く世界では、皆、一目置かれている人たちだ。
そのジャンルは、芸能人やスポーツ選手はもちろん、
学者、作家、料理人、農家、教師、NGO職員、主婦など多岐におよぶ。
ときには「えっ、こんな職業があるの?」と驚かされることもある。

その世界で注目されるということは、
他人とは違う要素があるということだろう。
一線を画す問題定義、斬新な手法、特異な個性、
いずれにしても新たな風を起こしているということだ。

誰も見向きもしなかったこと、
いままでやっていなかったことにまで目を向け、
課題と真正面から向き合っている。

情熱の持ち方は人それぞれだが、
何かに打ち込んでいる人の姿は素晴らしいし、
その眼差しは何においても魅力的だ。
でも僕らから、その人たちが煌めいてみえても、
当の本人は、逆風の只中で闘っていることだってある。

そしてそれは、置かれている立場や問題の大小の差はあれ、
僕らも社会の一端のなかで、同じような境遇を味わっている。
そう、誰もがみんな闘っているのだと気付く。

芸術家や俳優、スポーツ選手・・・
有名人に抱く憧れや、そういう仕事が出来ることへの羨望。
誰でも、そういう思いが少なからずあるだろう。

でもこの番組は、
自分自身の身の回りで起こることに対して、
それをどう捉えて、自分のためにどう肯定的に考えられるか。
そこから、自分自身の日常をどう考えればいいのかを、
登場人物を通して、示してくれる。

何かに成功した人でも、始めから成功への道を約束されたわけではないし、
全てのことを思い通りに出来ているわけではない。
でも、そこを一歩踏んばって、
意志を貫くことの大切さを教えてくれる。

その登場人物の姿勢が、
ときに僕らがどこにいるかを知る座標軸になり、
進むべき方向を示す羅針盤となって、
僕らの背中を優しく押してくれる。
そして、世の中そんなに捨てたものじゃないよと、
僕らに希望を与えてくれる。
それが、この番組の魅力なのではないだろうか。

少しでも多くのことを肯定的に思えれば、
その人生は希望に満ちたものになるだろう。
でも、それに必要な、何かしら真理みたいなものは、
探そうとしないと見つからない。
ならば、空を掴むようなその行為を端っから諦めるのではなく、
自分なりに試行錯誤することが大切なのだろう。

コメント(1)

情熱大陸を検索をしていて、貴殿のHPに当たりました。ブログでのコメント、凄く素敵ですね。ほんとうに毎回それぞれの生き様をみせつけられますね。私もこれから毎週欠かさず必ず視ようと改めておもいました。

早速ですが、少しお尋ねしたいことがございますので上記メールにて返信を頂くことは可能でしょうか?


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このブログ記事について

このページは、cmemberが2010年5月 7日 09:00に書いたブログ記事です。

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