なぜ緊張するのか

text by 赤様

人間はなぜ緊張するのだろうか?
いつからだろう、そんな素朴な疑問が僕のなかにはあった。
そこで、僕なりにいろいろ調べてみた。

動物の一生の心拍数というのは、
どんな種類の動物でもほぼ同じなのだそうだ。
その数、およそ20億回。人間も同様だ。
でも、動物によって寿命に差があるのは、鼓動の速さがそれぞれ違うからだ。
一般的に、小さい動物は鼓動が速く、大きい動物はその逆の場合が多い。

鼓動が遅いと長生きする。
種の保存を命題とする動物にとっては、これはこれでもの凄いメリットだ。

では、鼓動が速いメリットとは、いったい何なのか?
小さい動物が俊敏に動くことができるのは、
この鼓動の速さが不可欠なのだそうだ。
僕ら人間が、運動するときに鼓動が速くなるように、
鼓動が速くなると速い動きができるようになるというワケだ。

鼓動が速い動物からみると、逆に人間の動きはスローに見える。
だから、彼らを捕まえようとしても、ササッと逃げられてしまう。
蚊やハエの場合もまったく同じ。
速い動き=速い鼓動、ということが成り立つ。
小さい動物が自らの命を守る手段でもあるのだ。

じゃあ、運動している人は、していない人より寿命が短くなるのか?
と考えるところだが、
運動している人は、していないときの心拍数が普通の人より少ないのだ。
一生の心拍数を比べても、トータル回数では少ないので、
運動している人は寿命が短いとはならないのだ。

と、ここまで調べてきて、『おや?』と思った。

緊張して鼓動が速くなるということは、
『これから起こりうることが、どうなるかわからないとき、
それに備えるために身体がその準備態勢になること』
ではないか、と僕は考えたのである。

予測不能なことに対しては、
人間は自然と身体の防御システムを働かせるもの。
もしかしたら、素早く逃げなければならないかもしれないし、
瞬時に何かを判断しなければならないかもしれない。
もちろん負の要素ばかりではなく、
人より早く何かを獲得するチャンスがあるかもしれない。

鼓動が速くなることによって、
咄嗟に逃げる、またはいつもより素早く行動するための
身体のひとつの機能なのではないのか、と。

そう考えると、緊張というのは、
あながちネガティブなことではないと思えてくる。

あの長嶋茂雄は、チャンスに強い理由を聞かれたときに、
「緊張感を楽しんでいるから」と語っていた。
みんなが憧れる舞台に立ち、みんなが応援してくれる。
置かれた状況をプラスに考えることができれば、
好結果を残す確立は、当然高くなることが想像できる。

何か未知のものに挑むとき、緊張するのはしょうがないことだ。
また、そういう機会というのは、
冷静に考えると貴重な機会のことの方が多いのも事実。

だからこそ、緊張しないようにと考えるのではなく、
『緊張しているから僕の身体は正常に機能している』と、
まずその緊張感を受け入れ、
それを健全で健康で素晴らしいこと(笑)と、ポジティブになる。
ここぞ、という場面でそれができれば、
ひょっとしたら、あなたも大物になれるかもしれない!?

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このページは、cforceが2009年11月27日 09:00に書いたブログ記事です。

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