text by 赤様
とある病院の新生児室で･･･
赤ちゃんＡ 君さ、人生で何が楽しみ？
赤ちゃんＢ はい？
赤ちゃんＡ ボクはまず18になったらカッコイイ車を乗りまわしたいんだよね･･･
赤ちゃんＢ そうですか･･･ 私は事故がこわいのでちょっと･･･
赤ちゃんＡ それから、世界中を旅して回るんだ･･･
赤ちゃんＢ 私は、旅先でのアクシデントがこわいので、遠慮しときます
赤ちゃんＡ やっぱりいつかは自分の家を建てたいし･･･
赤ちゃんＢ いやいや、家を建てた後で、地震にあったり火事にあったりしたら、
ショックが大きすぎますよ
赤ちゃんＡ 燃えあがるような恋も経験してみたいな･･･
赤ちゃんＢ そういうのは後々面倒なことになるのがこわいから、私は恋愛はしません
ケガがこわいから運動もしないし、
おぼれるのがこわいから風呂にも入らないし、
風邪をうつされるのがこわいから、なるべく息もしません
赤ちゃんＡ 君、何が楽しみでこれから生きるわけ？
赤ちゃんＢ それをこれから見つけようと思いまして･･･
赤ちゃんＡ 見つかるかな･･･
赤ちゃんＢ さあ･･･
男 東京海上日動の代理店にご相談ください
赤ちゃんＢ えっ？
男 あ、もう少し大人になってからで結構です
赤ちゃんＢ ･･･おぼえときます
これは、東京海上日動のＣＭです。
最近のＣＭの中では、僕のお気に入りのひとつです。
一度きりの人生、楽しくありたいものです。
いろんなことにチャレンジしたいのなら、自覚が芽生えるのは早いほうがいい。
こんな生まれたばかりから、そんなことを考えているこの子ったら、
さぞ、いきいきとした人生をおくるんだろうな･･･、
って、おいっ、ＣＭの世界やろっ！
このＣＭの赤ん坊のように、僕もやりたいことが次から次へと湧いてくる方で、
どちらかというと、それを制御するのがたいへんです。
人にもよく言われますが、好奇心が旺盛なのです。
人の人生80年と言われますが、あと残りの人生で、
はたしてやりたいことが全部できるのか？
不可能、不可能、到底不可能。
このままだと120歳まで生きれないと無理だぞ！ ってな具合です。
でも、できることからどんどんやっていってしまうと、
わりと小さな望みばかりが消化され、
大きな夢がないがしろになっていることに、あるとき気付いたのです。
それ以来、手綱を締め加減にしています。
俯瞰して考えることができないと、
大きな欲望に限ってなかなか手に入らない、
なんてことになったりします。
だから思うのは、やりたいことはなるべく優先順位の高い方から攻める。
ときには２番目、３番目を犠牲にしても、
１番やりたいことのために、魂、傾ける。
そんなことが必要なのです。
だって、優先順位の高いものほど、労力も手間もかかるものですよね。
だから、それくらいの気合いが、情熱が、やっぱり大事なのでしょう。
でも、それでいいんじゃないでしょうか。
たった１度の人生だから、そんなふうに生きたいですよね。
