text by 赤様
地震、雷、火事、親父・・・。
昔から、恐いものの代名詞として使われてきた言葉ですね。月曜の新潟の地震で、その恐さを再認識した方も多いことでしょう。
さて、「緊急地震速報」というものが10月1日からスタートします。それはどういうものなのでしょうか。
震源で地震が発生すると、ふたつの地震波が発生します。最初に小さい波=P波と、次に大きな波=S波です。震れ始めに小さく震れるのがP波で、少し経ってから大きく震れるのがS波です。ふたつの波には時差があります。地震国日本には、全国に地震の観測地点があります。仮に震源に最も近い観測地点でP波を観測したとします。すると他の場所にどのくらいの時間で、どのくらいの大きさのS波が到達するのかを瞬時に予測し伝えるシステムが「緊急地震速報」のシステムです。
なんだか画期的なシステムのように思えてきますが、しかし、情報が来てから数十秒程度しか時間がないため、その対処方法も限られているのが現状です。いろいろな対策をしようとしても、そんな単時間では人間の判断で何かを講じようとするには短すぎます。おそらくコンピュータによる自動制御くらいがいいところなのでしょう。
実際には、ガス、電気、水道などの停止。鉄道や高速道路の徐行運転、または停止。エレベータの最寄階での停止など、災害の拡大を最小限に防ぐところまでが限界のようです。また、人が非難を急ぐとパニックが・・・、なんてことも予想されます。それでも、これを実施することを決めた背景には、被害を最小限にしたいという今までの教訓があるからなのでしょう。
そんな思考を巡らせていると、やっぱり僕らが求めているのは予知なんだ、などと思うのであります。では、その予知はどうなっているんでしょうか。
これはまだまだ、とテレビの討論番組で有識者が言っているのを聞きました。中国やギリシャなどでは予知に成功した例はあるそうですが、実用性にはほど遠いというのが有識者の一般的な考えだそうです。でも、地震の甚大な被害に比べたら背に腹は変えられない。当たらないかもしれないけど、何十回とか何百回かに1回とかでも当たったら、その効果たるや・・・、なんて僕なんか思うのです。マグニチュードは1増えると地震のエネルギーは32倍に、2増えると1000倍にもなるそうです。神戸では、電子レンジやテレビが壁から反対側の壁へ水平に飛んだのだそうです。凄いです。
また、仮に信頼度が多少上がっても、経済活動を止められるのか、社会的影響はどうなのか。例えば、東海地震が来ると情報を流して、東海道新幹線を止められるのか、止めたときの経済的損失はどのくらいか、などなどさまざまな問題があるそうです。
はたして将来、完全な予知が実現するのでしょうか。もし、何時間後に(または何日後に)絶対に地震が起こると告げられたりすると、それがまるで余命宣告のように、逆に恐いような気もするのですが、みなさんどう思いますか?