アメリカ

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text by 赤様

 飛行機もそうだが、新幹線にしろ、長距離バスにしろ、乗り物の座席の位置をあらわすのにアルファベットが使われている。6号車15番C席、という具合に・・・。

 東海道新幹線の場合、E席が2人掛けシートの窓側の列で、晴れている日には窓いっぱいに大きな富士山が見える。富士山が好きな僕はそれが楽しみで、指定券を取るときは窓口の人に必ず「E席ありますか」と注文する。でも人によっては、窓側よりも通路側が好みの人もいるらしいと聞いたことがある。人それぞれ好みが違うものだ。きっと気兼ねなく通路に出れるからなのだろう。

 以前、新幹線の指定券を取りにJR系旅行代理店の窓口に行ったときのことだ。僕の順番がきて、窓口の人に意向を伝えると、その担当者は手配のため奥へ消え、すぐ近くで別の係員が電話で話しているのに気がついた。聞く気はなかったのだが、聞こえてきたその言葉がとても気になった。どうやら座席の位置を確認しているようだ。

 「○号車○番のA席です。繰り返します。○号車○番アメリカです」

 ん・・・? アメリカってなんだ・・・?

 その言葉は、どうやらアルファベットを混同しないように、あえてそんな呼び方をしているようだった。たしかにDは「ディー」とも「デー」とも読む人がいるし、「エー」と「デー」や、「ビー」と「ディー」など、ざわついている店内では誤解しかねない言葉だ。そんなときアルファベットの伝達ミスを防ぐひとつの方法で、こんなやり方を編み出したのだろう。ちょっとカッコ悪いけど、面白い表現方法で感心した。Aをアメリカとあらわしたのも旅行会社らしかった。B、C、Dはどう表現するんだろう?

 そういえば、以前JRで通勤していたとき、僕の利用していた東海道線では、車掌さんは到着時刻を告げるアナウンスのとき、必ず7時を「ななじ」と発音していた。「いち」と「しち」を混同しないためだ。

 そんな人間味を感じさせる工夫がけっこう好きで、いろんなところで垣間見えたりすると面白いなと思ったりするのである。

コメント(1)

AKYです!こんにちは。
仕事柄、BとDをよく口に出して使うのですが、間違えるととんでもないことになるので、あえてDを「デー」と発音しています。
会社に入った頃はすごくおじさんぽくて抵抗があったけれど、何より間違わないことが肝心なので、そんなプライド消えました。

また、「アメリカ」同様、アルファベットを電話で伝達するのに「B」「D」「T」が紛らわしいので、それぞれ「バファローズのB」、「ドラゴンズのD」、「タイガースのT」と言ってましたよー。
たまに相手から言われた表現が面白かったりすると、「この人センスあるー」と思ったものです。

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このページは、cforceが2007年3月 1日 09:00に書いたブログ記事です。

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