この10日、自民党総裁選に立候補した安倍晋三官房長官、谷垣禎一財務相、麻生太郎外相が、
それぞれの政権構想を全国各地で訴えた。
そんな中、週末のテレビ番組で興味深い番組が放送されていた。
格差社会をテーマに扱ったものだ。
その中で驚いたのは、
「正社員と派遣社員の生涯賃金差は、1億6000万円といわれている」と言うことだった。
規制緩和がもたらした結果が、派遣社員と正社員との賃金の格差である。
元々強い力を持つIT関連の技術者が多かった派遣社員の世界に、規制緩和が行われたことで、
強い立場にない労働者までが派遣社員として存在するようになったのだそうだ。
更にニートのことや女性派遣社員の実態も採り上げていた。
安易に離職することの危険を思い知らされた気がした。
ある有名国立大学出身の私と同年代の俳優が、履歴書持参でハローワークに職探しに行くという
興味深い企画もあった。
今まで日本は、いや、日本人は自分は中流という意識でいる方も多いと思う。
ところがその(実際には、そして今となっては)幻想に警鐘を鳴らすような内容だったのだ。
今、日本では高額所得者とそうでない者との二極化が私の予想以上に進んでいるということなんだろうか。
巷でいわれている「勝ち組・負け組」と言う言葉、これなどは
ある意味で、この二極化を端的に反映しているんだろうな。
貯金をしても利息が付かないと嘆く人がいる反面で、住宅ローンを払っている人にとっては
ゼロ金利政策はひとときのオアシスだったに違いない。住宅ローンを抱えている私もそうだ。
最近その政策が解除されたばかりだ。
これからはその辺りの影響も出てきて、ますます格差社会が加速していくだろうと思う。
ふくらむ国の借金、少子化社会・高齢化社会、不安な年金制度のこと、
私たちを取り巻くそういった環境が、生活の不安、将来の不安を一向に払拭させないでいる。
すぐに変わるなどとは到底思えないが、次の新しい政権には
少しでもその不安を取り除く方向に向かうことを望まずにはいられない。