text by 赤様
みなさん、寝不足になってませんか?
オリンピックもまだ序盤ですが、日本選手に勢いがないですね。勝負ですから勝つことを目指すべきなのは当然の話。ですが、オリンピックに出たかったんだという子供の頃からの思い。おそらくどの選手もそんな思いがあるはず。やっぱりオリンピックはスポーツをやってる人の夢です。だから、出ている選手にはスポーツの楽しさを、オリンピックに出られる幸せをかみ締めて欲しい。そんなシーンを僕らも観たいです。
オリンピックに出られる幸せ。オリンピックを観れる幸せ。今、オリンピック三昧の日々です。
スキーモーグル女子の上村愛子。競技後には、「悔いは無い。でも・・・」と、やはり残念な様子が漂っていた。エアはコーク720(セブン・トゥウェンティ)という3次元的回転をする大技を披露。観ていた方はおわかりだろうが、素人目にも難しそうでアクロバチックな華麗な技だ。だが、モーグル競技ではエアの得点に占める割合が25%しかない。エアに大技を使わなくてもターン(こぶ斜面を滑る技術)とタイムに秀でた選手に破れてしまった。
彼女は前回のオリンピックでは思うような結果が出なかった。また縦に回転するエアの解禁など、度重なるルール改正にも苦しんだ。この数年前まで精神的にもどん底の状態を経験していた。そんな状態のとき最も打ち勝たなくてはならないのは、自分自身にある弱い心。彼女は「強くなるために自分の弱さを認めた」ことでそれを克服した。大好きなモーグルで、もう一度オリンピックに出るために。
今度のオリンピックでは残念ながら最良の結果は出なかった。しかし、それを目指した課程で、かけがえのないものを彼女は手にした。もしかしたら彼女の将来にとって、そのことの方がメダルよりも価値があることになるかもしれない。