by 赤様
正月に甥っ子に会った。去年の正月以来だ。早いものでもう4歳になる。産まれたのも、喋ったのも、歩いたのもつい最近だと思っていたけれど、僕の認識が彼の成長に追いついていなかった。
いつも実家に来るときは、おもちゃ持参。で、今年持ってきたのは恐竜、オセロ、カルタなどなど。去年の虫キング(←僕はこれがわからない)と入れ替わって、これからは恐竜が流行るらしい。子供の興味はどんどん変わる。親はたいへんだ。
それよりも僕の興味を義弟が代弁してくれた。「オセロできるのか?」。ここに義弟との、歳の差28歳の対決が始まった。ルールの理解や戦略なんてものを期待していない僕らを知ってか知らずか、形勢は甥っ子優勢。盤面はたちまち真っ黒になった。序盤の形勢が勝敗に作用しないのは承知の通りだが、なんと端や角を取ることの有利さも心得ていた。しかも横から指示しようとすると「だーめーだーよーーーっ!」と大音響で指す手を制する。もう「いっちょまえ」である。勝負の行方はというと、食事が出来あがったところで中断、そのまま終わりになってしまった。
食事後、カルタが始まった。今度は僕も仲間に加わる、いや入れてもらった。あたりまえに手加減はするのだが、やっぱり甥っ子の独壇場。少しハンディが出来たところで、今度は「あそこ、あそこ」と違う方を指してからかう。するとまた大音響で「やーめーろーよーーーっ!」。そうこうしているうちに頭どうしが「ゴツン!」とあたり、「わーーー!」と泣き出した。やっぱり4歳児だった。
ほかの興味を聞いたら、どうやら鮫が好きらしい。ジョーズなど、映画で鮫が人間を食うシーンが興奮するのを、すごく嬉しそうに説明する4歳児。そこにどういう思考が働いているのかよくわからないが、男の子は豪快な方がいい。将来が楽しみである。
でも、そんなことより僕が最も嬉しく思えたのは、彼の頭脳が見違えるほど成長していたことだ。今までとは違って会話が成り立つのが何とも逞しく微笑ましい。
「これだけ喋れるようになると楽しいだろう」
「なに言ってんの。一日中ずーっと喋ってて、もううんざり」
やっぱり親はたいへんだ。