岩井俊二監督最新作、キリエのうたを観てきました。
岩井監督の作品で初めて観たものは「リリィシュシュのすべて」。
たしか高校生の時だったのですが、アートのような映像と思春期のあの独特なもやもや感が映しだされるところ、完璧にマッチしている作中歌にとても魅了させられました。
作中の歌手、リリイシュシュ(salyuさん)のサントラも好きでよく聞いてました。歌詞がまったくないない''歌声''だけの曲「回復する傷」を送迎の車内でずっと流していたら運転する母に「眠ってしまいそうだから止めて...!」と言われてしまった思い出もあります。笑
この文章を書いてる今もまさに聞いているんですが、改めて、すきですね...。
黄昏時のような心地にさせられます、朝から。
今回の作品「キリエのうた」もカメラワークに岩井監督らしさが見受けられました。光の入れ方だとか、あえて手ブレもいれる感じだとか。若干のドキュメンタリーっぽさがあって作中の人物をより身近に感じられる気がします。
またこの作品は普通の物語みたく一つの方向だけに進んでいかないというか、時間軸もガンガンに移動するし主人公が切り替わるかのようにそれぞれの人物にしっかりスポットが当てられていくので物語というよりは各人物達の人生をのぞいていくような感覚でした。
終わり方も鑑賞者に媚びない、スッキリしたものではないので、よりリアルな''人生''ぽさを感じます。
そして、何よりキリエ演じるアイナ•ジ•エンドさんの歌声が凄かったです。力強さとやるせなさみたいな味わいがあるのがこの作品にも非常にマッチしていましたし、映画館で聞くと迫力があります。私を誘ってくれた友人は彼女のファンなのでまるでLIVEのような楽曲の充実さにも満足したみたいです。
一人の歌手がフォーカスされるという点では冒頭に挙げた「リリィシュシュのすべて」と通ずるものがあるのかも?
興味のある方はぜひ〜