柔らかくなった大八木監督

text by 赤様

「駒澤大学がなぜまた強くなったかわかりますか?
 大八木監督が変わったからです」
青山学院大学の原監督はこう述べた。

正月の箱根駅伝。
大八木監督は、駒澤大学を2年ぶりの優勝に導いた。
だが駒澤は、それ以前の5年間、
箱根も含め他の駅伝でも全く勝てなかった。
どうして駒澤は強くなったのか。

大八木監督は、典型的なコワい指導者だった。
いや、今でもちょっと怖そうな印象が残る。
べらんめえ口調、リーゼント、福島弁。
近寄りがたい。

でも情熱は右に出るものがいないほど、とにかく熱い!
沿道で檄をとばしていたと思えば、
叫びながら選手の後を走ったこともあった。
選手を先導する白バイを見て
「白バイ抜け!」と選手に叫んだこともある。

以前はそれで結果が出た。
昔はそんな指導者が確かに多かった。
しかし低迷した。

そのあいだ、いろいろと試行錯誤したのだろう。
ここ数年、監督が柔らかくなった、という声が、
様々なところから聞こえてきた。

自分の顔写真が貼られたうちわを持って、
笑顔でファンに応える光景には、ファンも驚いた。
マスコミのインタビューでも笑顔が増えた。

元早稲田大学監督の渡辺康幸さんは、
「指導方法がガラリと変わって、選手の目線におりてきた」と
説明した。

上から目線で叱って、という時代は終わったのか。
マスコミを通してだが、
どのスポーツでも監督のカタチは変わってきているなと感じる。

指導者は年齢や経験を重ね、そこに結果がついてくると、
理論や信念が築かれる。
でも、選手はいつも若く新しい選手が入って来て、
否が応でもギャップが生まれ、自然に壁ができていく。

スポーツの指導がノウハウ化され、
多くの指導者もまた、
成果を出すために学び直していると聞く。

でも、つきるところやっぱり
「人間対人間」ということではないのかな、
という気がする。




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このページは、cmemberが2023年1月20日 09:00に書いたブログ記事です。

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