ザ・ベストテン

text by 赤様

先日、久米宏さんがインタビューされている番組を見た。
そのなかで、ザ・ベストテンの話しが、
とても面白かった。

若い人のために補足すると、
ザ・ベストテンとは1978年~1989年に放送されていた、
ランキング形式で紹介する音楽番組。
司会は久米宏さんと黒柳徹子さん。
視聴率は、ときに40%を超えたそうだ。

順位はレコード売上、ラジオのリクエスト、
有線放送のリクエスト、番組に寄せられたはがきのリクエストを
ポイントにして決められた。

番組を企画するにあたって、黒柳さんは、
プロダクションやレコード会社など、
制作側の都合で順位操作がされることを断固拒否。
ホントの順位をちゃんと出してそれを正直にやらない限り
私は嘘がバレたらすぐ降りる、と条件をつけていたのだそうだ。

するとこんなことが起きた。
第1回目の放送で、
10位以内に入ると思われていた山口百恵が11位だった。
当然ランクインと思われていたのでスケジュールを抑えてあった。
スタッフは悩みに悩んだが、
決めた以上はルールを守ろうということで、
事務所に謝りに行った。
でもそれで最後までフェアにいくことができたと、
久米さんは語った。

生放送で、しかも順位が直前に決まる。
出演交渉が大変だったのは容易に想像できる。
順位によって出演するかどうかわからないが、
フェアだったことが関係者の理解を得られ、
番組の認知を上げたのは間違いない。

スタジオに来れないアーティストも多かった。
でも僕ら視聴者には、これも面白かった。
移動中の新幹線の中、コンサートの真っ最中・・・、
なんでこんなところで歌うのか?
思い出してみればいろんなところで歌っていた。

構成作家は、なんと若き日の秋元康だったらしく、
そんななところは、すでに「らしさ」が出ていたと言える。

ちなみに、久米さんが司会になったのは黒柳さんからのご指名で、
黒柳さんが久米さんのラジオを聞いていたのが決め手だったそうだ。

僕もベストテンは毎週欠かさず見ていて、
鏡の回転トビラとか、パタパタ回転する順位ボードとか、
いろいろ印象に残っている事柄が多い。
でも、こんな影響力のある番組は、もう現れないだろうなとも思う。


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このページは、cmemberが2016年2月 5日 08:54に書いたブログ記事です。

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