text by 赤様
先日、SONGSという番組を見ました。
NHKの音楽番組です。
その回はナオト・インティライミでした。
僕は彼の音楽のファンではなく、
この番組も、全く見る予定ではなかったのですが、
以前から、かなり人間的に興味があったので、
ついつい見てしまいました。
実は、彼がメジャーになるまで、
僕はナオト・インティライミという人を全く知らなかったのですが、
このことは一旦置いておきます。
僕は以前から中村直人という旅人がいるのを知っていました。
彼は世界中を放浪したことを本にしていて、
見知らぬ土地で見知らぬ人たちの前で歌を歌い、
世界各地で様々な人たちと親しくなったことが、
その本に綴られていました。
特に、パレスチナのアラファト議長(当時)に、
なんのコネもないのに面会し、
親しくなって議長府に泊まってしまうなんて事までしている。
ホント信じられません。
そんなことを知っていたので、
ナオト・インティライミが売れてきたあとに、
彼が中村直人と同一人物だと知ったときは、
かなりの驚きでした。
冒頭に紹介したSONGSでは、
彼は旅行者が集まるベトナムのミュージックパブを訪れます。
店長に直談判して飛び入りで1曲歌わせてもらうのですが、
それが彼の真骨頂。
ベトナム語、タイ語、マレーシア語、インドネシア語、
英語、スペイン語、日本語・・・。
各国の「ありがとう」という言葉をつなげて歌います。
こういうとき、聴いている人間の心理として、
「俺の国の言葉は?」
って思うのが人情ですよね。
「あなたはどの国から?」
と彼がお客さんを指すと、
「Germany」とか「France」とか、
まだ歌に出てきてない国の人は、
俺も俺もと声を上げてくるのです。
そんな国の「ありがとう」も取り込んで、
ホントになんてこと無い歌なんですが、
ノリとリズムを求めて来た聴衆はどんどん一体感が出てきて、
いつの間にか、みんな手拍子で大盛り上がり!
ホント人の心をつかむのが上手い!
ただただ関心するばかりでした。
僕は、人の心を開けることが、
人間の能力としては最も素晴らしいものだと思っています。
彼のようなことって、なかなかできるものではありませんが、
僕も自分なりの企てを継続していこうと思っています。