戦争をしないということ

text by 赤様

学生の頃、授業で習ったと思いますが、
スイスは永世中立国です。

でも、なぜ中立なんでしょう。
その理由は習わなかったような気がします。

以前のスイスでは、
農業や産業が育ちませんでした。
国土のほとんどが山岳地帯だったためです。
また、地下資源もなく、貧しい国でした。
だから他国との貿易で、
金銭や物の代わりに傭兵(ようへい)を派遣しました。

傭兵とは、
直接利害関係のないところに金銭によって雇われる兵士のこと。
スイスは軍人を他国に貸して利益を得ていたのです。
これを「血の輸出」と言ったのだそうです。

貿易は、当然多数の国と行っていたので、
多数の国に傭兵を送っていました。
それが、ある戦争で、
スイス人同士が戦うという悲劇をまねきました。

それ以後、こんな事態にならないために、
永久に中立であることを決めたのだそうです。
痛ましい過去を教訓にして転換を図ったのです。

そんなスイスの先進的な方針を倣ってか、
永世中立を宣言する国がいくつか存在するようになりました。

先日、7月28日は、
第一次世界大戦開戦から100年にあたる節目でした。
日本では、8月は戦争が語られる時期です。
そして今、パレスチナのガザでは、多数の死者が出ています。

平和をどう維持していくのか。
戦争とどう向き合うのか。
昨今の憲法解釈の問題とともに、
今、僕らにも問われている気がします。

相手を叩きのめして、それですべてが終わるのか、
甚だ疑問です。
憎しみが憎しみを呼ぶ不の連鎖に陥るだけ。
世界から戦争がなくならないことが、
それを証明していると言っていいと思います。

この国が、そして世界が、
この先どんな方向に進むのかわかりませんが、
戦争という手段を選ばないことを、切に願うばかりです。

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このページは、cmemberが2014年8月 8日 08:31に書いたブログ記事です。

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