ベートーベン

text by 赤様

年末にベートーベンを聴きに行きました。
♪ジャジャジャジャ~~~ンッ!!
っていう交響曲第5番(運命)ではありません。
今日は第9番のお話し。
そう、年末と言えば第九です。

クラシックというと、敷居が高いと感じるかもしれませんが、
今は全くそんなことはなく、
コンサートには、かなりラフな格好の人も多くなりました。
以前流行った「のだめ~」の影響もあるかもしれません。

僕の父親はオーディオが趣味で、
そうした人たちは、クラシックを聴く人が多いのですが、
父親も、ほぼ毎日聞いていました。
僕は、たぶんその影響を受けたのでしょう。
いつも『うるさいなぁ』としか思っていませんでしたが(笑)。

第九が作られたのは1824年。
ベートーベン53歳のときでした。
この曲は別名「歓喜の歌」と呼ばれますが、
「歓喜によせて」という、若いころに読んだ詩に、
彼が感銘を受けたことがキッカケのようです。

そんなことをテーマにしているので、この曲は壮大です。
1曲で70分を超える長さもそうですが、
生きることとは? 真の喜びとは? という事から、
人類愛までをも語っているので、スケールが違います。

また、ご存知のように、
ベートーベンには聴力障害がありました。
若いときは普通だったのが次第に衰えていき、
この曲を作曲するときには、
ほとんど聴力を失っていました。

耳が聞こえないなんて、作曲家でなくても苦しいハズです。
例えて言うなら、
目が見えないデザイナーや、足が無いサッカー選手が、
成立するのか、というのと同じですよね。
それなのに、あんな音楽を紡ぎだせるとは・・・。

そんな苦悩の極みのなかで「歓喜」をテーマにして、
200年近くも人を感動させ続ける音楽を作ってしまうなんて、
信じられません。

人間の人生なんて、正解は無いですし、
こうすれば大丈夫なんていう方程式も存在しません。
上手に、楽に、かつ思い通りに生きていくのは、
おそらく無理でしょう。

でも、どんな事が起こっても受け入れて、常に前を向くことで、
きっと「歓喜」はやってくる。
この曲を聴くと、いつもそんな気にさせられるのです。

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このページは、cmemberが2014年1月17日 08:58に書いたブログ記事です。

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