text by 赤様
探検。
この言葉を聞くとワクワクします。
子どもにとって、
いや一部の大人にとっても、そうなのかもしれませんが、
探検というのは、
ヤケに好奇心をくすぐります。
なかでも、僕は洞穴や洞窟のようなところが好きで、
鍾乳洞なんぞは、
あれは最高の娯楽施設だよな、とさえ思っているほどです。
鍾乳洞は、入った瞬間から温度や湿度が違い、
別世界に入った感覚になります。
あの低い天井や、迷路のような通路も、
ワクワク感を助長させます。
耳を澄ますと、
どこからか聞こえてくる水の流れる音。
地底なのに、
勢いよく流れる滝や水流があることに不思議さを感じます。
狭いところを過ぎると、
突如として現れる巨大な空間は、
そこが地底だということを忘れさせるほどの神秘的な空間です。
何万年、何億年という途方もない歳月をかけてできた鍾乳石の柱や、
水面下41mまで見えるという透明度を誇る龍泉洞の水のきれいさは、
これは、ちょっと言葉で表せません。
僕は日本3大鍾乳洞と言われる、
岩手の龍泉洞、山口の秋芳洞、高知の竜河洞は、
すでに制覇しましたが、
日本には、まだたくさんの鍾乳洞があるので、
それらを巡るのが今後の楽しみのひとつです。
でも、矛盾するようですが、
炭鉱夫とかには、絶対になりたくないんです。
天井が低くて狭くて、いつ落盤するとも限らない恐怖感に、
耐えられないからです。
洞窟が好きなのに、なぜこう思うのか、自分でもわかりません。
振り返れば、僕が子どものころは、
近所に残っていた防空壕の跡や、
下水管(ちょっと汚いですが・・・)や
雨水管(豪雨などのときに雨水を流すための管)などを
よく探検しました。
そんなところに入るときは、
自分自身がインディージョーンズになりきっていて、
頭のなかでは、あのテーマソングが流れています。
この管はどこまで続いてるのだろう?
この先に何があるんだろう?
それがわかったところで、何がどうなるワケではないのですが、
もう、進まずにはいられない自分がそこにいるんです。
直径1mほどの細い管の中を、
長靴を履いて、懐中電灯を持って、
身をかがめて入っていくのは、
ハッキリ言ってアホです。(笑)
でも、何にもないかもしれないけど、
何かを得たいとかではなく、
その過程を楽しんだり、
自分の感性を信じて、無邪気に突き進んだり、
そんな遊び心や探究心が、
今の自分を育んできたようにも思えます。
大人になると忘れてしまいがちですけれど、
そういうのって大事ですよね。
あ、言っておきますが、
下水管や雨水管は立入禁止です。
よい子はマネをしないように。(笑)