text by 赤様
先日、ギリシャで国の今後を占う選挙があり、
日本でも大きく取り上げられた。
ご存知のようにギリシャ経済は厳しく、
今後に不安を抱く者、職を失った者、
そして家を失った者も少なくないそうだ。
そんな話しを聞くと、
ギリシャ全体が暗い雰囲気に染まっているように想像してしまう。
でも、街を歩いていても、
人々の表情にはそんな様子がほとんどみられないと聞いて、
ちょっとびっくりした。
どこのテレビ局だったかは忘れたが、
レポーターがギリシャの街頭から伝えた言葉が印象に残った。
それは、職も家も失った男性が語った言葉だそうだ。
「こんな状況でも俺たちには希望がある。ホームレスだがホープフルだ」
と。
僕はこの言葉に感動した。
今、日本でも経済状況は決して良いとは言えない。
だが、明日の暮らしもままならないギリシャのそれと比べれば、
やはり全然マシな方だろう。
そんな僕ら日本人に、
希望があると言える人がいったいどれだけいるのだろうか。
この国は、
経済的な豊かさを求めてきて、今、先進国と言われている。
これまでの発展をささえてきた先人達の努力には、
大いに敬意を払うべきだと素直に思う。
でも、希望というと、
経済的な豊かさだけがよりどころではない。
この国の自殺者が毎年3万人にものぼることが、
何よりそれを現している。
先進国とか安定した社会というのは、いったい何なのだろう。
でも、閉塞感だったり、
先の見えない現状にフテ腐れていても、
全く意味がない。
これから、どうしたいのか。
どうありたいのか。
何を目的に、何に喜びを感じて生きるのか。
それぞれのその思いが明日へのエネルギーであり、
それが希望なのではないのか、
と、僕は思う。
おりしも明日7日は七夕。
何を願い、何を望むのかは、人それぞれだが、
そんな望みや喜びがあるからこそ、
人はいきいきと生きていけるのだと思う。
さて、あなたは短冊に、どんな思いをこめるだろう。