高所非恐怖症

text by 赤様

ゲートブリッジに行った。
先日開通した東京港の入り口に架かるデカい橋だ。
橋の下を大きな客船や貨物船が通るため、
港に架かる橋はどれもデカい。
しかし、そのほとんどが自動車専用道路のため、
直に橋の上を歩く機会がなかなかない。

このゲートブリッジの魅力は、その大きさもさることながら、
人間の足で歩けるというのもポイントのひとつだ。

この橋を渡るには、
まず、ビルの8階ほどの高さまで上らなくてはならない。
上まで上りきると橋の路面に出るが、
そこから見る眺めは素晴らしい。
お台場や東京湾岸の施設が望める。
天気が良ければ、どこまで見えるのだろう。
そんな期待感も膨らんでくる。

しかし、高いところが苦手な人には、これは一大事だ。
一緒に行った上司は、せっかく階段を上ったというのに、
見晴らしの良いところへ出ることを躊躇した。

僕はそこから、その上司の子どもの手をとり、
まるで親子のように橋の眺望を楽しんだのだ。

高所恐怖症。
よく聞く言葉だが、
本当は「高い所は怖くなければいけない」のだそうだ。
以前見たテレビ番組で、なんという学者かは忘れたが、
そんなことを言っていた。

どういうことかと言うと、
人間は普段経験しないことに対して、
「怖い」というセンサーが働くことになっているそうだ。
それがひとつの生命を維持するため、
危険を回避するための重要な機能なのだ。

だから高いところのほかにも、
暗いところ、狭いところ、揺れる(不安定な)ところなどでは、
身体が本来持っている機能として、
そういう恐怖感が出てくるのが正常なのだそうだ。

それに照らし合わせると、
高所恐怖症という概念自体が間違いで、
高所非恐怖症という、高いところが怖くない症状を持った人が、
異常な扱いを受けなければならないことになる。

と、まあそんなゲートブリッジの話しをしてみると、
意外にも、僕の近くには、高いところがダメな人が何人もいた。
それもちょっと驚きだったのだが・・・。

さて、
恐怖心があるのに、今回わざわざゲートブリッジに上ったみなさん。
安心してください。あなたたちは正常です。
その勇気に拍手を贈りましょう。
そして、機会があればもう一度、高いところに上りましょう。(笑)

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このページは、cmemberが2012年6月 8日 08:33に書いたブログ記事です。

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