餃子

text by 赤様

冬を迎えようとするこの時期、
寒い風に吹かれると、僕はラーメン餃子という夕飯が多くなる。
栄養面では決して好ましくはないが、
『あったまりたい』という気持ちがどうしても勝ってしまう。

冬は毎年そんな有り様なので、
よく行く街には、必ずお気に入りの店がある。

その中でも、今日取り上げるのは、
自宅近くの駅前にある、行きつけのラーメン屋。
でも、ここのお気に入りは実はラーメンではなく餃子だ。
ちょっと小ぶりの餃子が5ツで200円と値段もお手頃。
それも理由で、ここでは必ず2人前を注文する。

餃子にも、皆さんそれぞれ好みがあるだろうが、
僕は、食べた瞬間に肉汁がジュワジュワーとでてくるのが好きだ。
以前、鼎泰豊(ディンタイフォン)という点心のお店で食べた、
ジューシーな小籠包が忘れられなくて、餃子にもそんなジューシーさを求めている。

ここの餃子も、もちろんそんなジューシーな餃子だ。
でも、難題がひとつあった。
どこの餃子でも同じだが、皮が貼りついていていると、
1ツ取ろうとするときに皮が破けてしまう。
破けたらせっかくの肉汁が台無しである。
「覆水盆に返らず」と言ったら大袈裟だが、
これを目当てに来ているので、いつも剥がすのにイライラしていた。

あるとき、そんなことを話したら、
ジルさんが、くっついた皮の剥がし方を教えてくれた。
これは効果絶大だった。
おかげで今は、ストレスなく味わえている。

餃子は熱いうちに食べたほうが絶対にウマい。
だからこの店では、ラーメンを放ったらかしにしてでも、
焼き上がったら、すぐに全部を食べきってしまう。

適度にパリッとした香ばしい皮の感触と、
ほどよくニンニクのきいたジューシーな肉汁が口の中にひろがり、
最高の瞬間である。

さあ、今日もあの味を味わいに行こうか。

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このページは、cmemberが2011年12月 2日 08:48に書いたブログ記事です。

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