text by 赤様
すべての物事にはコツがある。
僕はそう考えるタチだ。
不器用な僕は、何か新しいことをやり始めた段階では、
たいてい思うように上手くできなかったり、
他人より時間がかかってしまうことが多い。
仕事でも、スポーツでも、実生活でもしかり。
「物事は要領よくやれ」とか「馬鹿とはさみは使いよう」とか、
子どものころは、親から年中言われ続けた。
慣れないうちは、まさに「ドジで、のろまな亀」状態で、
自分でも歯痒いしカッコ悪いと思っている。
だから、もう少し上手いやり方は無いものかと、
いつの間にか考える習慣が根づいた。
「試行錯誤」
一見ネガティブに聞こえるこの言葉は、
僕にとっては、まわり道しながらも、一歩一歩階段を上がるための、
とてもポジティブな言葉であり、
かつ必要不可欠なものだ。
今現在、スムーズにできていることは、
培ってきたことから、自分なりのやり方を見いだしてきたからだ。
そのことを、世間では「コツ」と言う。
僕が尊敬する人物のひとり、古田敦也(元プロ野球選手)は、
練習をすることは「コツを見つけるため」と言っていて、
僕はそれに深く共感した覚えがある。
スポーツ以外のことでも、
他の人の、物事に対するときの考え方やノウハウに興味があったり、
それを自分にうまく取り込めないかと、日々考えていることが僕は多い。
「目で盗め」と昔の人はよく言ったが、
そんなことが習慣化していると、日々他人と接しているときに、
『あ、それ、いただきっ!』と心の中でガッツポーズすることも少なくない。
そんなことに敏感だから、
情熱大陸やプロフェッショナル仕事の流儀といった類のテレビ番組が
好きなのかもしれない。
目の前に起こる大小様々な問題を前にした主人公が模索する様子は、
課題の違いこそあれ、とても参考になる。
でも、その人の思考に触れて、共感、納得できるものは多々あるのだが、
それを自分の懐に落としこむには、かなりカスタマイズすることが必要だし、
納得できてるのに、自分のモノにできない事柄も多い。
でも、そんな「コツ」を自分のなかに多く持っていることが、
自身の引き出しを増やすため、ラクに生きるための、
ひとつの近道であると思うのだ。
己の成長のために、努力する、精進するとなると、
まるで修行のように、重く受け止めがちだが、
そうではない成長の仕方があってもいいと僕は思う。