朝令暮改

text by 赤様

京都大学には「京都大学ギャングスターズ」という
アメリカンフットボール部があります。
現在は、チャンピオンから遠ざかっていますが、
十数年以上前までは、日本一に何度も輝いた強豪チームでした。

あの京大ですから、
スポーツ推薦なんてものは、当然ありません。
だから、有能選手の勧誘なんて無理な話しで、
入部してくる選手のほとんどが、
アメリカンフットボール未経験者です。
なのに、なぜ日本一になれるほどの強豪チームになったのでしょうか。

その理由は、いろいろとあると思われますが、
僕の好奇心をかきかてたのが、
部の習慣と、監督の指導方針です。

一般的に体育会系と言えば、独特の上下関係がありますが、
このチームの習慣が他と違うのは、
グラウンド整備や用具係りなどの、大抵「下っ端」が行うことを、
ここでは4年生が行います。
これは、未経験者が多い1年生を、いかに戦力にしていくのか、
という発想から生じた戦略でもあります。

そして、監督の水野彌一の言葉で僕が印象に残っているのが、
「朝令暮改、大いに結構。むしろ首尾一貫ということの方が、どれほど悪いことか」
という言葉です。

朝令暮改とは、
「朝に出した命令を夕方にはもう改めること」
要するに、いったん決めたことをすぐに覆して方針が安定しないことを言いますが、
普通に考えると、
物事を成すために努力するには、逆なんじゃないのか、
と、つい疑問符をつけてしましそうです。

その真意は、水野監督曰く・・・、
「たとえば、体重75キロでベンチプレス40キロしか揚げられない1年生が、
4年生になると、体重120キロになってベンチプレスで165キロを揚げられるようになる。
ある程度時間をかけると、自らの現実は変え得るものなのだ。
だから、遠い将来の夢や希望は、現実に関係なく持ってほしい。
それをいかに実現させるか、のために、
いろいろな方法で試してみること。
ひとつの方法に固執していないで、
どんどんやり方や考え方を変えて挑戦すること」
というものです。

目的地はひとつでも、やり方はひとつじゃない、ということですね。
確かに、いろいろなやり方を試すのは非効率かもしれません。
それにコロコロ方針が変わるようでは、
他人からみて信用性に欠けてしまう可能性も潜んでいます。

でも、様々な経験は、自らに確実に積み重なっていきます。
また、柔軟な思考が人間の幅を拡げます。
そんなやり方が、心の「引き出し」を増やし、
自分の将来を、奥行きのあるものにするのだと思います。

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このページは、cmemberが2011年11月 4日 08:40に書いたブログ記事です。

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