自転車ブーム

このところマスコミを賑わせている話題、
しかも自分とも全く無関係ではない話題。

違法な改造をしたピストのことだ。
警察も本格的に厳しく取り締まりを始めているようだ。
検挙される時の自分勝手な言い訳もおおよそ見当がつく。


「ピスト」とは元々純粋な競技用自転車で
一般的に判りやすく言えば、競輪で使用している自転車の車種がピストになる。
ブレーキは無い。
ライトも着けない。
ベルだって無い。
ギアも固定ギアで、乗った状態でベダルの逆回しができない。逆にまわすと後ろに進む。
だから止まる場合はここに負荷をかけて止まるのだ。
この贅肉を極限まで削ぎ落としたシンプルなシルエットは美しい。
という具合だから、真に競技に勝つためだけに専門化した仕様の自転車なのだ。
走るのは本来はトラックと呼ばれる専用の競技場だ。

これがそのままの状態で公道を走っているから問題になっている。

公道上ではこのような仕様は違法になる。
ブレーキも片側だけついていれば良いということはないし、
そもそも車両である自転車が整備不良で走っていい訳が無い。

でも走っているのが現実。
繰り返すが、だから問題になっている。

これに、昨今の自転車ブームが被さって、
ロードレーサーなどの本来は競技用自転車が町中を走っている。
ロードレーサー自体は標準ならばブレーキも前後に付き、
ライト類(つまり前照灯と尾灯)とベルをつければ公道を走れる。

これらの車種は当然のことながら一般の買い物用自転車等に比べると
重量も半分以下程度で、踏み込めばスピードもかなり出せる。

それが歩道をまるで車道で走るようなスピードで走るものだから
怖い思いをした歩行者は多いのではないだろうか。

以前このブログにも書いたことが何度かあった。

相変わらず会社の近くの靖国通りは、歩行者信号が青になり、
車道側が赤になっているにもかかわらず、
自転車通勤をしているほとんどは歩行者が横断中に
横をものすごい勢いですり抜けて行っている。
私も何度かぶつかりそうになったし、ひどい場合は声を掛けたりしているが、
大抵は無視されている。

ブームは素直にうれしいのだが、自転車人口が増えるたびに
このような低い意識で乗っているのは改めなければいけない。
自転車は歩行者ではないのだ。
老人をはねて死亡させた事件もあったと聞いているが、
人の人生を奪うことがすぐ隣にあるということを意識すべきだ。
昔から自転車を趣味として触れている自分にとって、
このような出来事は残念だし、放置されれば厳しい規制がかかるのは目に見えている。
さすがに「ドロップハンドル禁止」は無いだろうが。

いまや「走る凶器」は「自動車」だけではないのだ。

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このブログ記事について

このページは、cmemberが2011年10月 3日 09:00に書いたブログ記事です。

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