text by 赤様
すっかり暑くなりましたね。
アイス好きの僕にとって、もう毎日がアイス日和です。
いえ、毎日は食べてないですけど・・・(汗)。
でも、今回はアイスクリームの話しではありません。
以前見た「わが子はアイスキャンディ」というテレビドラマの話しです。
小学校に通う、ある少年がいました。
彼はお金に対して関心が強く、
同級生の宿題をやったり、風紀検査のときにハンカチを貸したりして、
友人からお金をもらっていました。
やがて、子供にしては大きな額のお金が貯まり、
その少年は、今度は金貸しを始めます。
なぜ、このドラマのタイトルにアイスキャンディとついているのか。
それは、高利貸し=氷菓子(アイスキャンディ)だからです。
はじめは、子供同志だけで、お金の貸し借りが行われていましたが、
やがて、そのうわさを聞きつけた周りの大人、そう、親や先生が、
彼のもとにお金を借りに来るようになります。
そして、対象が広がるにつれ、彼のフトコロはどんどん潤っていきます。
そんな追い風のさなか、
とある事から「こんなことをしている生徒がいる」
と告発されてしまいます。
それは、学校中を巻き込んだ大騒動に発展してしまいます。
ですが、その少年は情状酌量されます。
なぜでしょうか。
父兄、学校の先生のほとんど、そして校長先生までもが、
彼にお金を借りていたのです。
だから、誰も彼を責めることはできませんでした。
借金は御破算になり、今後こんなことはしないようにと、
少年は注意されますが、誰も彼には頭が上がらず、
少年は、堂々と胸をはり、学校の廊下を歩いて、
家へ帰っていくというエンディングです。
これが放送されたのが1984年ですので、もう27年も前です。
1時間だけ、1話かぎりのドラマでしたが、
何ともインパクトの強いストーリーで、
僕は、まだ鮮明に覚えています。
大の大人たちを次々と巻き込んで、
黙らせてしまったのも痛快です。
このドラマが元になって、
あの「うちの子にかぎって」というドラマが
生まれたとも言われています。
これはフィクションですが、この少年は、
ドラッカーのマネジメントなんか読まなくても、
自らの知恵(ちょっと姑息な手段ですが)と行動力で、
小学生ながら経済活動を実践してしまいました。
同時に、人間の腹のうちをも含んだ
社会そのものをも学んでしまいました。
こんな少年がもし存在したら、
今の不況を立ち直らせないでいる大人たちを横目に、
「いずれ僕の出番がくる」と、
密かにほくそ笑んでるかもしれません。
いえ、翻って考えると、
こういう少年こそが、社会の救世主になるのかもしれません。
でも、そんな待望論ばかり願っていても、
時間は流れていくばかりです。
氷のように溶けてなくならないように、
僕らは逞しく、この社会の荒波を乗り越えていきたいものです。