text by 赤様
年の瀬を迎えようとしています。
今年も一年早かったですね。
クリスマスで盛り上がって、初詣にも行くという僕ら日本人は、
世界からみると実に不思議な民族です。
どっちの神様にも自分たちの都合の良いようにお祈りして、
はたして御利益があるのでしょうか?
ま、そんなことは置いといて、
不安なことがあるときに神頼みをするのは、
洋の東西を問わず変わらないことですが、
人間の、各個人の悩みや願いなんて、
もう何百年も何千年も変わっていないのだと思います。
他人との関係が芳しくない、
仕事の仕方や段取りが上手くいかない、
いつまでも若々しくいたい、
などなど。
人間の滑稽なところは(滑稽と言ったらちょっと失礼かもしれませんが)、
答えを得られそうな人に悩みを打ち明けるよりも、
心を許せる人に打ち明けることの方が多いのではないでしょうか。
打ち明ける人が的確な答えを持っているとは限らない。
だけど、この思いをぶちまけたい。何か浮上の手がかりが欲しい。
悩みを持っている人の思いは切実です。
島田洋七のがばいばあちゃんではありませんが、
お婆ちゃんの知恵袋を自分も持っていたら、
何でも肯定的にものごとを考えられたら、
この世知辛い世の中を、どんなにか楽に過ごせることでしょう。
お寺にお参りする日本人も、教会で祈る欧米人も、
おそらく人間の根っこのところは同じだと思います。
多くの人が、お寺や教会に集うのは、
その解決を期待してのことなのは言うまでもありません。
僕はどの宗教にも属していませんし、
どの宗教がどんな教えをしているのかも、詳しくはわかりません。
しかし、(ちょっとここでは新興宗教は除きます)お寺や教会には、
そんな長年の人々の経験値が積み重なった何かがあるのでしょう。
悩みというものは、当人がそれを必要としているということ。
それがあるから不幸、ないから幸せなのではなく、
悩みと真摯に向き合って、
その先に行こうとすることが大事なのではないのでしょうか。
逃げずに立ち向かえば、そのときの試行錯誤というのは、
必ず自分のノウハウとなって蓄積されていくものです。
みなさんのこの1年は、いかがでしたか?
初詣では、何をお願いしますか?
いずれにしろ、ひとつだけ思うのは、
不況の昨今、経済的に芳しくなくても、心だけは貧しくならないように。
いつも、それだけは意識して生活したいものです。