最近、夜中にアニメで『空中ブランコ』がやっています。
シュールすぎて置いていかれがちですが
これの原作は
『空中ブランコ』奥田英朗・著
です。
シリーズ化もされていて
ジルも『イン・ザ・プール』『空中ブランコ』『町長選挙』を読みました。
主人公は精神科医の伊良部一郎。
親の経営する大病院で勝手気ままに生きるボンクラ中年。
注射(を打つ&打たれているのを見るの)が大好きで、親の金で買った高級外車を乗り回す。
少年の心を持った大人じゃなくて、大人になりきれていないだけの男・伊良部。
異様に精神年齢の低い精神科医です。
でも、なぜか伊良部の元を訪れた人たちは
みんな治っていくんです。
私は伊良部の事は好きじゃないんですが(←呼び捨てにしてしまうくらい)
話の内容は面白くて痛快で
サラサラ読めてしまいます。
自分勝手でワガママでダサくてどーしょうもない伊良部ですが
結果的には、その人間臭さが悩んだ人たちの心を救うんです。
精神科医だって聖人じゃないし、失敗もすればワガママも言うんだなってね。
基本やり過ぎなんだけど、まぁ・・・愛されないけど憎まれない人って感じかな。
がんばらないのに人を救う・・・逆に天才なのかも。
天才は愛されないものよね、羨望の的だから。
えっ、私は伊良部が羨ましいの?
あー・・・ある意味羨ましいナ。
あんな風に自分の本能に正直に生きたい。
やっぱり伊良部ってスゴいのかもしれない。
スゴいのは認めるけど、やっぱり好きにはなれないな・・・
少々頑固なジルでした。