茶色の山手線は本当に懐かしいか?

鉄道ネタで恐縮です。

先々月のことだが今年山手線が命名100年を記念して、
最新型であるE231系車両1編成を限定でチョコレート色に
ラッピングしました。
チョコレート色を正式に言えば、鉄ちゃんならご存知の
旧国鉄「ぶどう色2号」です。
ニュースによると12月4日までこの姿が見られるそうです。
その見出しには「懐かしい」「懐かしのチョコ色」などの見出しが目立ちます。
つい私も「懐かしい」と言いそうになりました。
でも、待ってください!
本当に懐かしいんでしょうか?
かつてであれ、そのチョコ色の山手線を見たことがあるんでしょうか?
見たことがないのに、懐かしいと言えるんでしょうか?

そもそも今の若い方にとっては、これを見て「懐かしい」ということは
無いんじゃないでしょうか。

それまで茶色の山手線(旧性能車両)に、カラフルな色を塗り登場した
新性能車両の101系が登場したのは1961年のことで、
もう50年近い年数がたっているわけです。
その時点でレトロな茶色の電車は、カラフルな新性能車両に
順次置き換えられていきました。
「電車は茶色いもの」と当たり前に捉えていた時に、
カラフルな色の車体色で登場したわけですから、
当時の電車通勤者以外にもアピールし、新しい時代の到来を感じたに違いありません。
昭和30年代初頭に生まれた私ですら、旧性能の茶色の編成というのは山手線では
リアルに見たことがありません。
東京に住んでいなかった、というのもありますが、
鉄道に興味が出てくるころには101系が主流になっていて
中央線、京浜東北線などもそれぞれのカラーに塗られた
新性能車両に以降が済んだ後でしたから。
大人になり東京に出てきた時も103系が主流とはいえ、101系は現役でした。
ですからボクにとって101系は「懐かしい」思うのです。

あの中央線の現行車両E233系の前身の201系、まだ記憶に新しいですね。
「省エネ電車」として設計・製造され、ブラックフェイスと
左右非対称な正面のデザインが当時としては斬新な車両でしたが、
これとて試作車で1979年、量産車は1981年の投入です。
つまり登場して28年が経っているということです。
(201系試作車の発表時は、私も原宿宮廷ホームで行なわれた発表会に
カメラ持参で行きました。なのでよく覚えています。)

そういったことを考えると、チョコレート色に塗られた山手線って
一般にはどれくらいのアピールがあるんでしょうか。少々疑問に思っています。
アピールするのはアラウンド60以上?
懐かしいと思うのもアラウンド60以上?
高齢化社会だから十分アピールする?
そのような疑問が次々に浮かんできます。
それに輪をかけて、新性能車両を茶色にしたからといって
懐かしいのでしょうか?
ボクにはあのE231系は阪急電車に見えてしまうんですよね。

どうせなら、当時の車両で特別に一編成だけ組んで、走らせてほしいところです。
年配の方なら懐かしいのでしょうが、
私の世代かそれより若い方々からは
「へえ〜、昔はこんな電車で通勤していたんだ!」
「この鎧戸は何?えっ?これがブラインド?」
「冷房ってないんだね、扇風機なんだ!」
そんな声が聞こえてきそうです。

現実には、現在の運行規定などに引っ掛かって無理なんでしょうけど。

ちなみに私は、旧型客車なら幼稚園の頃に乗った記憶が一番古い記憶です。
地方では旧型車両がまだまだゴロゴロしていました。
高校の時に部活の試合で他県に行った時にデッキ付きの旧型客車に乗り、
本当に「懐かしい」と思ったことがあります。

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このブログ記事について

このページは、cforceが2009年11月 9日 09:00に書いたブログ記事です。

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