ボルトはどこまで行くんだ

text and photo by 赤様

彼はまた、世界を驚かせてしまった。
ベルリンで行われた世界陸上で、
ウサイン・ボルトが、100mと200mで金メダルを獲った。
しかも、また世界新記録の連発だ。

北京五輪の素晴らしい活躍で誰もが知るところとなったが、
以前から、いつか世界のトップ選手になるだろうと言われていた。
というのも、
彼は20歳以下の世界チャンピオンを決める大会に15歳で出場し、
200mでチャンピオンになり陸上界を驚かせた。
このニュースは、日本の選手のあいだにもすぐに広がり、
とんでもない少年が出てきたと話題になった。

どのくらい凄いのか、わかりやすく言うと、
中学生が大学生に勝ってしまったということだ。
陸上では、これはあり得ないことだ。
このころからボルト伝説は始まったと言っていいだろう。

彼は196cmと陸上競技の選手としては長身だ。
しかし、陸上界の常識では、大きい選手は不利だと言われていた。
大柄なバスケット選手が俊敏性に欠けるように、
速く動かすのには、
脚が軽い(細かったり、短かかったりの意)方が有利だからだ。
しかし、彼の脚は細く、
振り回す(股関節を中心に素早く動かす)のを苦にしなかった。

まぁ、薀蓄はここまでにしておいて・・・。

世界最速男というのは、カールルイスに代表されるように、
世界中で人気者になる。
しかし、彼には今までの最速男とは違う魅力があった。

ほとんどの選手がスタート前にはナーバスになるが、
彼はスタート前でもとてもリラックスしている。
他の選手とも言葉を交わし、カメラの前ではおどけてみせる。
まさにレゲエのノリだ。
そんなキャラクターが愛されている。


スタート前01.jpg


スタート前02.jpg


街角では、彼がスパイクの契約をしているプーマの広告が溢れ、
Who faster? というコピーが踊る。
彼のポーズの模った腕型もその雰囲気を煽った。


ボルト腕型.jpg


ベルリンの観客も、彼がフィールドに現れた途端、ざわめきが起こり、
ウォーミングアップを始めると大きな声援に変わった。
こうなると、もうここは「ボルト劇場」だ。


スタート前03.jpg


結果はご存知のとおり、期待通りに世界記録をたたき出してみせた。
アナウンサーが「ボルトはどこまで行くんだ~」と叫んだ。
観客は10分以上もスタンディングオーベーション。
英雄を称えるのは、こうするんだよ、とばかりに、もの凄い盛り上がり。
もう織田祐二も大興奮!!


ボルト表彰式.jpg


表彰式でも、このようにおどけている。
下に小さく本人が・・・(小さいけどわかるかな)。


ドイツの新聞広告.jpg


翌日のドイツの銀行の新聞広告も、こんな感じだ。

勝負の結末、人間の可能性、そして彼自身のタレント性。
まさに、彼は全てを持っていってしまった。
そう例えてもいいくらい魅せるものがある。
彼はこの先、どこまで行くのでしょう。
世界は、彼の行方を見つめている。

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このページは、cforceが2009年9月 4日 09:00に書いたブログ記事です。

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