text by 赤様
冬といえば、やはりこの話しをしないわけにはいきません。
スキージャンプの話しです。
そのワールドカップの試合が、
今週末(1月31日~2月1日)に札幌で行われます。
そこで、僕が注目するのが岡部孝信(おかべたかのぶ)。
長野五輪で金メダルを獲ったメンバーのひとりで、
去年復帰したテニスの伊達公子と同じ38歳です。
大のベテランですが、まだまだ頑張ってます。
世界中をみても最年長のジャンプ選手です。
こんな、とことんまでやる選手、個人的に大好きです。
身長は164cmと小柄で、ジャンプ選手としては不利と言われています。
飛んでいるときに風を受ける面積が少なくなるからです。
長野五輪のあとのルール変更で、
低身長の選手はスキー板が短くなってしまいました。
岡部もその影響で成績が振るわず、長く低迷が続きました。
原田雅彦とともに引退するのでは、という周囲の声に惑わされず、我を貫き、
今年に入って国内の試合で連戦連勝。
その成績が認められ、先日、久々の日本代表入りを果たしました。
この年齢で現役を続けているのは世界でも珍しく、
オーストリアの雑誌で、岡部の特集が組まれたそうです。
1995年には世界選手権で優勝の経験もあり、
ジャンプ界では世界的に有名で、
おそらく、日本よりも欧州の方が評価が高いでしょう。
当の本人は、ちょっとやそっとじゃ満足しない性格らしく、
この年齢になっても常に目標を高く持ち、貪欲に高みを目指しています。
自惚れたところもなく、
一旦、競技に入れば、風をつかまえるのが抜群に上手い選手です。
しかし、なんと言っても特徴的なのが、
雑誌「LEON」に出てきそうな、ちょい悪オヤジ感が漂うところです。
インタビューを聞いていても、
周囲に飲まれない独特のスローな語り口からは、
そんな雰囲気が見え隠れします。
そんなところが、この岡部の魅力です。
試合の模様は、地上波での放送もあるので、
ぜひご覧になってみて下さい。
はたして、岡部の優勝インタビューが見られるでしょうか。