text by 赤様
あなたがよく見るブログやウェブサイトは、どんなものですか?
僕は、有名人では茂木健一郎やフローラン・ダバディなど。またスポーツが好きなので、スポーツ選手のブログを好んでよく見ます。田口荘や古田敦也などの野球選手のブログもお気に入りですが、陸上部出身なので、為末大のブログは更新のたびに欠かさず読んでいます。
今でこそブログが一般的になり、多くの有名人、著名人がブログを運営していますが、陸上界ではブログがない時代から、ホームページを開設する選手やコーチが多くいました。
僕がインターネットをよく見るようになったのは、今は引退した伊東浩二という男子100mの選手のホームページがきっかけです。彼の所属していた富士通の陸上部で1996年ころからホームページを持とうという機運が高まり、陸上選手のあいだに広まっていきました。
彼は、数々の怪我や故障を乗り越え、2000年のシドニーオリンピックを目指します。その過程で高野進(東海大学コーチ、400m日本記録保持者)とともに新しい走法を模索し、当時先進的なトレーニング方法として注目されていた初動付加理論を陸上界で初めて導入。100mで10秒00という黒人以外では世界最速の記録を樹立しました。その後、念願のシドニーオリンピックに出場して競技生活を終えるのですが、その模様が日々更新されていく様は、とても興味深いものでした。
選手個人のブログの面白さは、そういったマスコミを通さない生の声が聞けるところです。更新のたびに読んでいると、その選手に自然と感情移入していき、まるで旧知の友人のように応援している自分がいます。一緒になってオリンピックを目指して戦っているといったらおこがましいでしょうが、それくらいの気持ちになっていきます。
あの試合のあの場面、選手はどういう心理状態でいたのか。一見、会心の試合に見え、マスコミもその堂々たる試合運びを絶賛。しかし選手自身は・・・、なんてことは、こんな選手ブログを読んでいるとよくあることです。そんな様々な事柄に共感しメッセージを書き込むと、ときどきですが反応があるときもあり、それもまた楽しみのひとつでもあります。
さて、いよいよオリンピックが来月に迫ってきました。オリンピックのような大きな大会では取材規制があります。世界中から集まる数万人とも言われるマスコミの数。その取材合戦が無秩序にエスカレートするのを防ぐために、選手や関係者に対して取材する機会に制限を設けるのです。
行き過ぎると大会運営にも支障をきたしますし、雑音から選手を守るという狙いもあります。その一環で選手個人が運営するブログの更新も禁止されていました。ブログはマスコミを通しませんが、マスコミがそれを間接的に取材対象にできてしまうからです。それが去年、ブログのみ解禁になり、今度の北京が解禁後初めての大きな大会になります。
TVの放送枠や新聞の紙面には限度があり、必ずしも自分の注目選手のコメントが聞けないこともあります。しかし、このブログ解禁により、選手の試合前のコンディションや試合後の心境が、マスコミを通さずにすぐに読めるようになるのです。そういう意味でも今度の北京はちょっと面白そうだなと思っています。
みなさんも、注目選手がいれば、検索してみてはどうでしょう。